筋トレで背中の衰えを解消
運動不足が続くと太りやすいだけでなく、さまざまな不調や病気の要因になります。家で過ごす時間に運動を組み込んで習慣にし、体を動かす機会を増やしましょう。筋トレは家で行っても十分に効果があり、テレワークや家事の合間などのすき間時間にできます。
たるんだ背中は老けた印象を与え、
全身にも影響を及ぼす
最近、自分の背中を鏡に映して見たことはありますか。背中の筋肉は意識しなければほとんど動かすことがないため、多くの人が20歳代後半から衰え始めます。
背中の筋肉が衰えると、脂肪がついてたるみが生じ、実年齢より老けた印象を与えます。背中は自分では見えませんが、周りの人からは意外に見られています。
また、背中の筋肉が衰えると猫背や巻き肩※になりやすく、呼吸が浅くなって代謝が下がる、肩や首が凝る、二の腕や脇がたるむ、下腹がポッコリ出るなど全身にも影響が及びます。
※肩が前に出て、体の内側に巻いている状態
ペットボトルを使って背中の筋肉を効率よく鍛えよう
背中にある広背筋や脊柱起立筋、僧帽筋を鍛えましょう。
ただし、背中の筋肉は鍛えにくいという特徴があります。直接、筋肉の動きを見ながら動作をすることができず、使っている筋肉を意識しにくいからです。また、背中の筋肉を鍛えるとき腕を使うことがありますが、動作だけをまねしていると背中より腕の筋肉を多く使ってしまいがちです。
背中の筋肉に的確にアプローチするためには、手に重みのあるものを持つのが有効。ペットボトルならどこの家にもあるため、水の入ったペットボトルを使って背中の筋肉を鍛えましょう。
- ●動作をゆっくり行う。
- ●ペットボトルを持ちあげるときも、下ろすときも、常に筋肉を使っていることを意識する。
- ●鍛えている筋肉を意識する。
- ●ペットボトルの容量の目安は、女性500mℓ~1ℓ、男性1~2ℓ。
ペットボトル・ベントオーバー・ロウ
おもに広背筋を鍛える
広背筋は、脇の下から腰にかけて、背中の下部を覆う筋肉。腕に力を入れてペットボトルを持ちあげるのではなく、肩甲骨を寄せてひじを持ち上げるイメージで行いましょう。
- 両手にペットボトルを持つ。足を腰幅に開き、ひざと股関節を軽く曲げ、背筋を伸ばしたまま上半身を前に倒す。両腕は自然に床に下ろす。
- 息を吐きながら、肩甲骨を寄せるようにしてゆっくりとひじを曲げ、ペットボトルをお腹の高さまで引き上げる。このとき背中の筋肉が収縮しているのを意識する。
- 息を吸いながら、ゆっくりと①に戻す。これを15回×2~3セット行う。
ペットボトル・デッドリフト
おもに脊柱起立筋を鍛える
脊柱起立筋は、頭の下から背骨の両脇を通り、骨盤まで続く筋肉。動作中は背中が丸くならないように意識して、脊柱起立筋に効かせましょう。
- 両手にペットボトルを持つ。足を腰幅に開き、ひざと股関節を曲げて両腕を下ろし、ペットボトルがスネのあたりにくるまで上体を前に倒す。背筋は伸ばしたままで。
- 息を吐きながら、ペットボトルを太ももに沿わせるようにしてゆっくりと上体を起こし、直立する。このとき肩甲骨を寄せて胸を張り、背中の筋肉が収縮しているのを意識する。
- 息を吸いながら、ゆっくりと①に戻す。これを15回×2~3セット行う。
ペットボトル・シュラッグ
おもに僧帽筋を鍛える
僧帽筋は首から肩、背中上部へとつながる筋肉。僧帽筋は強い筋肉で、多少の重さではラクに動作が行えてしまいます。ペットボトルの容量を上げたり、ゆっくりとした動作で僧帽筋を刺激しましょう。
- 両手にペットボトルを持つ。足を肩幅に開き、背筋を伸ばす。
- 息を吐きながら、肩をゆっくりと引き上げ、背中の筋肉が収縮しているのを意識する。限界まで上げたら、息を吐きながらゆっくりと①に戻す。これを15回×2~3セット行う。
- ●軽いペットボトルから始め、3セットがラクにできるようになったら徐々に重くしましょう。
- ●家にダンベルがある人は、ペットボトルの代わりにダンベルを使ってもかまいません。