働く世代に多い
「肝がん・膵臓がん」
肝炎ウイルスの持続感染がおもな要因
肝がんは、肝臓の細胞ががん化することで発生します。おもな要因は、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの持続感染(長期間、体内にウイルスがとどまる感染)です。
ウイルス感染以外の要因では、多量飲酒、喫煙、肥満、糖尿病などが知られています。最近では、肝炎ウイルス感染を伴わない肝がんが増加傾向にあり、そのおもな要因として脂肪肝が注目されています。
●B型あるいはC型肝炎ウイルスの持続感染
●多量飲酒
●喫煙
●肥満、糖尿病
●食事性のアフラトキシン(カビから発生する毒素の一種)
●男性であること
●ウイルス感染者に対する肝がん発生予防 *肝炎ウイルス検査(血液検査)は、地域の保健所や自治体が委託する医療機関で行っています。 *感染している場合、抗ウイルス療法が肝がんの予防法としてすすめられています。
男性は40歳代から、女性は50歳代から増え始める
肝がんになる人は男性が40歳代から、女性が50歳代から増え始め、罹患数(新たにがんと診断された数)は男性が5位、女性が10位です。肝がんで亡くなる人は男性が50歳代から、女性が60歳代から増え始め、死亡数は男性が5位、女性は7位で、罹患数・死亡数とも男性が多くなっています。
肝機能の異常やウイルス感染を指摘されたら受診を
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、がんがあっても初期は自覚症状がほとんどありません。
肝がんはいまのところ科学的根拠のある検診はなく、健診や検査でたまたま発見されることが少なくありません。健康診断などで肝機能の異常や肝炎ウイルスの感染を指摘されたら、受診しましょう。
また、気になる症状があれば、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
進行すると
●腹部のしこりや圧迫感、痛みなど
家族歴や糖尿病、喫煙などが発生リスクを高める
膵臓がんの多くは膵管の細胞から発生します。
血縁のある家族に膵臓がんになった人がいることや、糖尿病や慢性膵炎などにかかっていること、喫煙などが膵臓がんの発生リスクを高めることがわかっています。
●膵臓がんになった血縁者がいる
●糖尿病や慢性膵炎、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)にかかっている
●喫煙
●禁煙(男性)
男女とも罹患数・死亡数が決して少なくない
膵臓がんになる人は男女とも40歳代から増え始め、罹患数(新たにがんと診断された数)は男性が6位、女性が5位です。膵臓がんで亡くなる人は男女とも50歳代から増え始め、死亡数は男性が4位、女性3位です。
膵臓がんというと稀ながんと思われがちですが、罹患数・死亡数とも決して少なくありません。
症状が出にくく、早期発見がむずかしい
膵臓がんはがんが発生しても症状が出にくく、いまのところ科学的根拠のある検診もないため、早期発見は簡単ではありません。
進行してくると腹痛や食欲不振などの症状が起こったり、急な糖尿病の発症や悪化が見られることがあり、膵臓がんを見つけるきっかけになりますが、こうした症状は膵臓がん以外でも起こることがあり、見過ごされがちです。気になる症状があれば、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
進行すると
●腹痛
●食欲不振
●おなかが張る感じ
●黄疸
●腰や背中の痛み
●急な糖尿病の発症や悪化
出典:国立がん研究センターがん情報サービス
- 肝がん・膵臓がんとも注意が必要ながん。
健診などで異常を指摘されたり、気になる症状があれば医療機関の受診を