働く世代に多い
「胃がん」
ピロリ菌や塩分摂取が胃がんの発生リスクに関与
胃がんは、胃壁の内側にある粘膜に発生するがん。その発生要因は「ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染」や「塩分のとりすぎ」「喫煙」などです。
ピロリ菌は胃にすみついて炎症を起こす細菌で、不衛生な水や食べ物などから感染します。ピロリ菌の感染率は、上下水道の整備が不十分だった1950年以前に生まれた人では40%以上ですが、1980年代生まれの人では約12%と、若い世代では感染率が低下しています(※)。ただし、ピロリ菌に感染している人が、食べ物を乳幼児に口移ししたりすると感染させる可能性があります。
※ H.pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版より
胃がんの発生リスクを上げるもの
男女とも50歳代から増え始め、罹患数は2位
胃がんになる人は男女とも50歳代から増え始め、男女合わせた罹患数(新たにがんと診断された数)は2位。男女別では男性が2位、女性が4位です。衛生環境の改善で若い世代のピロリ菌感染率が低いことや、塩分摂取量の減少で胃がんは減っていますが、まだまだ油断できません。
胃がんで亡くなる人も男女とも50歳代から増え始め、男女合わせた死亡数は3位。男女別では男性が2位、女性は4位です。
胃がんの罹患数(2018年)
胃がんの死亡数(2019年)
早期に発見するために「胃がん検診」を受けよう
胃がんは早期に発見すれば治る可能性が高いがんですが、かなり進行しても自覚症状が現れない場合があります。胃がんを早期に発見するためには、50歳になったら、2年に1回、「胃がん検診」を受けることが大切です。
男女とも50歳になったら、2年に1回「胃がん検診」
出典:国立がん研究センターがん情報サービス
- 胃がんは、まだまだ男女とも罹患数・死亡数が多いがん。
胃がん検診で早期発見に努めることが、いちばんの対策です。
次回は、働く世代に多い「肺がん」について紹介します。