がんになるリスクを減らす
健康習慣①
がんは100%防げないけれど、リスクは減らせる
がんは完全には防げませんが、「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動(運動)」「適正体重の維持」の5つの健康習慣を実践すると、がんになるリスクがほぼ半減することがわかっています(がんが発生する最大の要因は生活習慣)。今回は「食生活」と「適正体重の維持」について紹介します。
食生活
塩分のとりすぎや野菜・くだものの不足に注意する
これまでの研究から、「塩分や塩辛い食品のとりすぎ」「野菜やくだものをとらない」「熱すぎる飲みものや食べものをとること」が、がんの原因になることが明らかになっています。
減塩すると、胃がんのリスクが低下します。高血圧や循環器疾患のリスク低下にもつながります。
日本人の食塩摂取量の平均は約10g(2019年国民健康・栄養調査)。「日本人の食事摂取基準2020年版」(厚生労働省)では1日の食塩摂取量の目安を男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。
野菜とくだものの摂取が少ない人はがんになるリスクが高いことから、野菜とくだものを積極的にとることが推奨されています。
1日の目安は野菜料理5皿、くだもの1皿くらい。これで約400gの野菜とくだものが摂取できます。
飲みものや食べものを熱いままとると、食道がんになるリスクが高まります。熱い飲みものや食べものは、少し冷ましてから口にするようにしましょう。
適正体重の維持
太りすぎや、やせすぎに注意する
中高年を対象としたこれまでの研究から、太りすぎでも、やせすぎでも、がんによる死亡リスクが高いことがわかっており、体重を適正に保つことが、がんの予防につながります。
適正体重の目安は、BMI値(肥満指数)で男性が21~27※、女性が21~25です。BMI値がこの範囲になるように体重を管理しましょう。
※BMI25以上は肥満に該当するため、異常所見がある場合はできるだけ25未満になるようにしましょう。
- 毎日の食事は、がんのリスクを減らすうえでとても重要です。
適正体重の維持は、食事と運動の両方で行いましょう。
出典:国立がん研究センターがん情報サービス
次回は、がんのリスクを減らす健康習慣のうち、「禁煙」「節酒」「身体活動(運動)について紹介します。