がんはもはや
不治の病ではない
がんの5年相対生存率は年々上昇している
がんと診断された場合に、治療でどれくらい命を救えるかを示す指標を「5年相対生存率」といい、5年相対生存率が100%に近いほど治療で命が救えることになります。日本におけるがんの5年相対生存率は、治療成績の向上で年々上昇しています。
また、日本は急速な高齢化によってがんの死亡数は増加していますが、年齢構成の変化を調整した年齢調整死亡率は、男性は1990年代後半から、女性は1960年代後半から減少傾向が続いています。
出典:地域がん登録 全国がん罹患モニタリング集計(国立がん研究センター)
がんは早期に発見すれば“治る”可能性が高い
2009~2011年診断症例の5年相対生存率(全がん)は64.1%ですが、早期に発見できれば5年相対生存率はさらに高くなります。
実際、ステージⅠという早期がんで発見された場合、日本人に多い「胃がん」や「大腸がん」「乳がん」「子宮頸がん」などは5年相対生存率が90%以上。つまり、治る可能性が高いということです。
一方、がんがステージⅣという進行がんで見つかると、5年相対生存率は大幅に下がります。
出典:「がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計」(2018年10月30日)より2008~2009年の2カ年分データに基づく5年相対生存率
仕事をしながら通院しているがん患者は36万5千人
がん治療の主流は入院・手術から、通院中心の治療へ変化しています。いまやがんは長期入院の末に亡くなる「不治の病」ではなく、仕事をしながら通院して治療を続ける慢性疾患のような位置づけに変わっています。
実際、仕事をしながら治療ために通院しているがん患者は、男性が15万4千人、女性が21万1千人で、合計36万5千人という調査結果があり、仕事と治療の両立支援の体制も整いつつあります。
資料:「平成28年国民生活基礎調査」(厚生労働省)をもとに同省健康局にて特別集計したもの
- これからは、がんと共に生きる時代。
がんについて正しい知識をもち、予防や早期発見に努めましょう。
次回は、働く世代に多い大腸がんについて紹介します。