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うつ病を知る・防ぐ
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3月
うつ病と間違いやすい双極性障害

「躁(そう)」と「うつ」を繰り返すが躁状態が見過ごされ、気づきにくい

双極性障害は、気分が落ち込んで元気が出ない「うつ状態」と、気分が異常に高揚する「躁状態」が繰り返しあらわれる病気で、以前は「躁うつ病」と呼ばれていました。
うつ状態から発症し、何年もたってから躁状態があらわれる場合が多く、躁状態よりうつ状態のほうが期間が長いため、うつ病と診断されてしまうことが少なくありません。また、躁状態が軽い場合、躁による高揚感でうつ状態が消えているのに、うつ病が治ったと勘違いされることもあります。
しかし、うつ病と双極性障害は原因も治療方法も違います。そのため、うつ病の治療を続けていると状態が不安定になり、回復が遠のくことになります。うつ病と診断されて治療しているにもかかわらず、なかなか回復しない場合、双極性障害の可能性があります。

躁状態のときに見られる症状の特徴

うつ状態の症状はうつ病と同じ(4月「増えつづけているうつ病」)で、躁状態では次のような症状があらわれます。

双極性障害も、ストレスが誘因になる

ストレスは、うつ病だけでなく双極性障害にとっても大きなリスク因子です。ただし、発症するかどうかは、今、自分がおかれている状況や、抱えているストレスをどのように受け止めるかが深く関係します。
受け止め方を左右するものに性格傾向があります。双極性障害の人に多いのは、「循環気質」と「執着気質」と呼ばれるタイプです。ただし、この性格傾向の人がみんな双極性障害になるわけではありません。
*参考:8月「ストレスをためない工夫でうつ病予防②」

治療の中心は薬物療法と精神療法。
双極性障害に精通している医師を見つけよう

双極性障害は適切な治療を行えば多くの場合、症状が改善します。受診する診療科は、精神科、神経科、精神神経科ですが、診断が難しいため、双極性障害に精通している医者に診てもらうことが非常に重要です。
また、うつ病か双極性障害かの見極めは躁状態の有無がカギになりますが、躁状態にある人は自分が病気だと思っていません。そのため、正しい診断には、身近にいる家族などの協力もかかせません。
治療の中心は薬物療法で、気分安定薬や抗精神病薬を使います。薬の種類が多く、人によって効果の出方が違うため、医師と協力しながら薬選びを進めます。このほか、症状によって、精神療法や電気けいれん療法が行われます。

監修者プロフィール

上野 幹子 UENO MIKIKO

産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、認定心理士。民間企業や官公庁、警察、大学などで心理学、脳科学を応用した独自の手法でカウンセリングやキャリア・能力開発のセミナーを数多く実施。これまでカウンセリングやセミナーで対面した人は延べ2万人を超えている。
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