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うつ病を知る・防ぐ
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6月
近年増えているうつ病の要因

パワハラによる精神障害が増えています

2016年度の「過労死等の労災補償状況」(厚生労働省)によると、仕事が原因でうつ病などの精神障害にかかり、同年度に労災申請の請求をした件数は過去最多の1586件。そのうち労災が認定されたのも過去最多の498件でした。年齢別では、どちらも40~49歳、30~39歳の順に多くなっています。
その内訳をできごと別にみると、1位が「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた」という、いわゆるパワハラによるもので、2位が「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせるできごとがあった」でした。2015年度の同データでは、1位が「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせるできごとがあった」、2位が「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた」であったことから、職場でのパワハラによる精神障害が増えているといえます。

パワハラについての正しい知識をもちましょう

パワハラの被害者、加害者にならないためには、正しい知識をもつことが大切です。
まず、自分が加害者にならないように気をつけましょう。パワハラは上司から部下に対してだけではなく、先輩・後輩間や同僚間、部下から上司に対しても、言葉や態度が不適切であればパワハラになることがあります。逆に、適切な言葉と態度で行えば、厳しい指導でも実際の判例ではパワハラ認定されていません。
パワハラの被害者になり、うつ病などに陥らないためには、パワハラを受けていると感じたら1人で抱え込まず相談しましょう。ただし、「怒られること=パワハラ」ではありません。
相談先は社内のパワハラ窓口か、社外であれば会社がある場所の労働局または労働基準監督署の総合労働相談コーナー、法テラスなどで、電話で相談できるところもあります。
※厚生労働省のパワハラ・サイト「あかるい職場応援団」 https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/

長時間労働などによる睡眠不足にも注意しましょう

働き方改革関連法案で、繁忙期の残業を「月100時間未満」に抑えることが決まりました。長時間労働は虚血性心疾患や脳血管障害、そして、うつ病などの精神疾患のリスクを高めることが国内外の研究で明らかになっています。
長時間労働とうつ病などの精神疾患の関係で注目されているのは、睡眠不足。遅くまで残業すると睡眠時間が削られ、仕事の効率が低下。時間内に仕事が終わらず、残業がさらに増えて睡眠不足が続く…という悪循環に陥ります。
睡眠は脳と体を休ませる大切な時間。睡眠不足が続くと疲労やストレスがたまり、うつ病などを発症しやすくなります。アメリカの研究では「6時間睡眠を2週間続けた脳は、2晩徹夜したのとほぼ同じ状態」という結果がでており、少しの睡眠不足でも積み重なれば大きなダメージになるのです。

監修者プロフィール

上野 幹子 UENO MIKIKO

産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、認定心理士。民間企業や官公庁、警察、大学などで心理学、脳科学を応用した独自の手法でカウンセリングやキャリア・能力開発のセミナーを数多く実施。これまでカウンセリングやセミナーで対面した人は延べ2万人を超えている。
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