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うつ病を知る・防ぐ
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9月
早期に治療したほうが回復しやすい

悪化すれば、回復までに数年かかることがあります

症状によって個人差はありますが、一般的にうつ病の治療には半年から1年くらいかかります。また、右肩上がりに回復するのではなく、一進一退を繰り返します。
うつ病も体の病気と同じで、早期のうちに治療を始めるほうが回復しやすく、治療開始が遅れると回復までに数年かかることもあります。また、おおむね回復したからと治療を止めたり、職場復帰を急いだりすると、再発しやすいという特徴があります。
さらに、うつ病の症状のひとつに「死にたいと思う」ことがあります。けっしてめずらしい症状ではなく、うつ病を原因・動機とする自殺者は健康問題による自殺者の約半数を占めています※。
こうしたことから、早期のうちに適切な治療をはじめ、完全に回復するまで焦らずに治療を続けることが非常に重要です。
※平成28年中における自殺の状況(厚生労働省)



早期に発見・治療するためには「相談」することが重要です

うつ病は過度のストレスがあれば、だれでもかかる可能性がある病気であり、治療すればよくなる病気です。
それが頭ではわかっていても、いざ自分がうつ病かもしれないと思うと、「自分に限ってそんなことはない」「疲れているだけだ」などと現状から目を背けたり、「いま休むわけにはいかない」と気力で乗り切ろうとする人がいます。しかし、抑うつ状態にあると、思考力が低下したり、根拠もなく自分を責めたりしやすく、冷静に、客観的に判断することがむずかしくなります。
そのため、うつ病が疑われるときは、1人で抱え込まないことが大切。治療開始が遅れて、悪化してしまう可能性があります。信頼できる人や医療機関にできるだけすみやかに相談しましょう。それが、うつ病の早期発見・早期治療につながり、早い回復につながります。

治療の基本は「薬物療法」と「休養」です

うつ病は心の病気といわれますが、ストレスがきっかけとなって脳の機能に変調が生じ、気分の落ち込みなどの症状が起こると考えられています。そのため、正しくは「脳の病気」で、気持ちの持ち方では回復せず、「薬物療法」が必要です。
また、うつ病はストレスによって心身が疲れ、エネルギーが枯渇した状態なので「休養」が不可欠です。この場合の休養とは、仕事をしている人なら休職する、主婦なら家事や育児をだれかに替わってもらうという完全休養です。これに加え、「精神療法」でストレスの要因そのものに働きかけることもあります。
うつ病になる人は、まじめで責任感が強い傾向があるため、休むことに抵抗や罪悪感をもつことが多いものです。しかし、うつ状態で仕事や家事、育児をしてもうまくいきません。思い切って休み、治療に専念することが回復への近道です。

監修者プロフィール

上野 幹子 UENO MIKIKO

産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、認定心理士。民間企業や官公庁、警察、大学などで心理学、脳科学を応用した独自の手法でカウンセリングやキャリア・能力開発のセミナーを数多く実施。これまでカウンセリングやセミナーで対面した人は延べ2万人を超えている。
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