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うつ病を知る・防ぐ
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1月
若い人に増えている非定型うつ病

「甘え」や「わがまま」と誤解されやすいうつ病

うつ病というと、抑うつ気分や物ごとへの興味・喜びの喪失、不眠、食欲減退などが代表的な症状ですが、これにあてはまらないうつ病が増えています。そのひとつが「甘え」や「わがまま」と誤解されやすい「非定型うつ病」で、20~30歳代に多く見られます。
非定型うつ病が病気と認められたのは最近です。そのため、専門家でも理解が不十分な場合があり、従来型のうつ病と診断されている人の3~4割、軽い双極性障害と診断されている人の約6割が非定型うつ病という調査結果があります。非定型うつ病はけっして珍しい病気ではないのです。
非定型うつ病は従来型のうつ病や双極性障害とは治療法などが異なり、誤って診断されると回復しにくくなるため、正しい知識をもっておきましょう。

非定型うつ病に見られる症状の特徴

周囲には「甘え」や「わがまま」などと感じる言動も病気によるもので、本人はとてもつらい状態です。

非定型うつ病も、ストレスが誘因になる

ストレスは従来型のうつ病だけでなく、非定型うつ病にとっても大きなリスク因子です。ただし、発症するかどうかは、いま、自分が置かれている状況や、抱えているストレスをどのようの受け止めるかが深く関係します。
受け止め方を左右するものに性格傾向があります。非定型うつ病の人に多いのは、「いい子」で内心は自信がなく、もろいタイプです。ただし、この性格傾向の人がみんな非定型うつ病になるわけではありません。
*参考:8月「ストレスをためない工夫でうつ病予防②」

治療の中心は薬物療法と精神療法。
非定型うつ病に精通している医師を見つけよう

非定型うつ病も従来型のうつ病と同じく、できるだけ早期の段階で適切な治療を行えば症状が改善します。非定型うつ病が疑われるときは、医療機関の受診をおすすめします。
受診する診療科は、精神科や神経科、精神神経科ですが、非定型うつ病は専門家でも理解が不十分な場合があるため、非定型うつ病に精通している医師に診てもらうことが大切です。
治療の基本は薬物療法で、抗うつ薬や抗不安薬などを使います。また、非定型うつ病は、感情が過敏で対人関係に悩みやすく、それがきっかけとなって発症しやすいため、精神療法も重要です。精神療法には、認知行動療法や人間関係療法などがあり、薬物療法と同等の効果が期待できます。
※非定型うつ病にはいろいろなタイプがあります。今回は不安症状が強いタイプを取り上げています。

監修者プロフィール

上野 幹子 UENO MIKIKO

産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、認定心理士。民間企業や官公庁、警察、大学などで心理学、脳科学を応用した独自の手法でカウンセリングやキャリア・能力開発のセミナーを数多く実施。これまでカウンセリングやセミナーで対面した人は延べ2万人を超えている。
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