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うつ病を知る・防ぐ
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12月
うつ病を予防・改善する生活②

食生活とうつ病は深い関係があります

海外の研究では、うつ病の発症に食生活が関係していることが数多く報告されています。たとえば、地中海式食事に代表される野菜、魚介、穀物の多い食事をとっている人は、うつ病にかかりにくい傾向があることがわかっています。
一汁二~三菜の日本の伝統的な和食も、野菜や魚介、穀物の多い食事です。しかし、日本人は食の欧米化などで野菜や魚介、穀物をあまりとらなくなっており、このことがうつ病の増加に少なからず影響を及ぼしていると考えられています。
また、近年、うつ病と肥満の関連が明らかになり、肥満の改善がうつ病の予防・改善につながる可能性が指摘されています。一汁二~三菜の日本の伝統的な和食は、栄養バランスがよく、カロリーも低いため、肥満の改善にも有効です。うつ病の人は、間食や夜食をよくとったり、朝食を抜くことが多いという研究結果もあるため、1日3回規則正しく食事をとることも心がけましょう。



たんぱく質や葉酸、鉄、亜鉛などを積極的にとりましょう

うつ病になるメカニズムは解明されていませんが、脳の神経伝達物質のセロトニンなどが不足する説や、脳の神経細胞の栄養分が不足する説が有力です。そして、その要因として、一部の栄養素の不足が指摘されています。
その栄養素とは、たんぱく質を構成する必須アミノ酸や葉酸、ビタミンB群、鉄や亜鉛、ビタミンD、魚油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)などで、これらを補うとうつ病が改善することもわかっています。
一汁二~三菜の食事を基本に、こうした栄養素を含む食品を積極的にとりましょう。

運動をすると薬並みの効果があります

運動量が少ない人はうつ病になるリスクが高く、運動をするとうつ病が改善するという研究結果が数多くあり、その効果は抗うつ薬の服用と同等という報告もあります。
おすすめの運動はウォーキング。だれでも手軽に安全にできるうえ、うつ病との関連が明らかになっている肥満を予防・改善する効果もあります。さらに、ウォーキングや自転車など一定のリズムで体の筋肉を動かす有酸素運動には、脳の神経伝達物質のセロトニンなどの分泌を促す効果があります。
日常生活の中でいまより10分多く歩くことからはじめ、1日合計30分~1時間程度、体を動かす習慣を持ちましょう。夕方に体を動かすと寝つきがよくなり、質のよい睡眠が得やすくなります。体の筋肉がこり固まると、心もこり固まってストレスがたまりやすくなるため、ストレッチなどで筋肉をこまめにほぐすことも有効です。



監修者プロフィール

上野 幹子 UENO MIKIKO

産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、認定心理士。民間企業や官公庁、警察、大学などで心理学、脳科学を応用した独自の手法でカウンセリングやキャリア・能力開発のセミナーを数多く実施。これまでカウンセリングやセミナーで対面した人は延べ2万人を超えている。
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