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10月:めまい

めまいはさまざまな原因で起こりますが、その多くは耳の奥にある内耳の障害で、命にかかわるものではありません。しかし、まれに脳の障害によって起こることがあるため、軽視は禁物。めまいがあれば症状の程度にかかわらず、病院で検査を受けましょう。

めまいは平衡バランスの崩れで起こる

体の平衡バランスは、目や耳(内耳)、関節・筋肉から得た情報を脳が整理・統合し、体の各部に指令を出すことで保たれています。脳からの指令で血圧や呼吸を調整する自律神経も、平衡バランスの維持に役立っています。このしくみのどこかに異常が生じると、自分や周囲が動いていないのに動いているように感じます。これが「めまい」です。
めまいをまねくおもな原因は「メニエール病」などの内耳の障害や、「脳梗塞」などの脳の障害、「自律神経の乱れ」で、このうちもっとも多いのは内耳の障害です。ストレスによる脳の平衡機能や自律神経の乱れも、めまいの原因になります。
また、高血圧や糖尿病、脂質異常症があると動脈硬化が促進され、内耳への血流が低下してめまいが起こることが。動脈硬化は、脳梗塞などの脳の障害の引き金でもあります。


めまいのタイプと考えられる原因

めまいには目が回る「グルグルめまい」や、雲の上を歩くような「フワフワめまい」、目の前が急に暗くなる「クラクラめまい」などがあります。
一般的に、耳鳴りや難聴をともなうグルグルめまいはメニエール病などが、吐き気をともなうグルグル・フワフワめまいは良性発作性頭位めまい症が疑われます。フワフワ・クラクラめまいで耳鳴りや頭痛、肩こり、倦怠感などをともなう場合は自律神経の乱れやストレス、生活習慣病によるめまいが疑われます。ただし、こうした症状だけでは原因が特定できないため、めまいがあれば病院で診てもらうことが大切。受診する診療科に迷ったときは、耳鼻咽喉科かかかりつけ医に相談してみましょう。
めまいのタイプに関係なく、激しい頭痛や手足のしびれ、舌のもつれなどの症状があれば脳梗塞などの脳の障害が疑われます。すぐに脳神経外科か神経内科を受診しましょう。


めまいを改善する生活習慣

めまいは生活習慣によって悪化を防いだり、予防することができます。ポイントは、ストレスをコントロールすること、自律神経のバランスを整えること、血行をよくして内耳や脳への血流を促すこと、脳梗塞などの脳の障害や血行障害をまねく動脈硬化を促進させないことです。
また、めまいは長いつき合いになることが少なくないため、気にしすぎず、上手につき合いたいものです。そのためには、きちんと診察・治療を受け、めまいの原因となっている病気について正しい知識をもって、いたずらに不安を覚えないようにすることが大切です。また、楽しみなことや夢中になれることをみつけて、できるだけ意識がめまいに向かないようにすることも心がけましょう。


監修者プロフィール

岡田 邦夫 OKADA KUNIO

プール学院大学教育学部教育学科教授、健康・スポーツ科学センター長。大阪ガスグループ健康開発センター 統括産業医。糖尿病などの生活習慣病、メンタルヘルス、スポーツ医学など幅広い専門分野をもち、長年にわたり健康指導や講演など多方面で活躍している。著書も多数出版。

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