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8月:胃痛・胃もたれ

これまでは、「胃痛」や「胃もたれ」といった胃の不調が続いていても、検査をして異常がなければ慢性胃炎や、ストレスのせい・気のせいとされていました。しかし、現在は「機能性ディスペプシア」という胃の機能異常と診断され、治療によって治せるようになっています。

機能性ディスペプシアってなに?

機能性ディスペプシアは原因となる病気がなく、胃の機能異常によって起こる「胃痛」や「胃もたれ」などの症状のこと。
胃の機能異常が起こるきっかけはストレスです。胃の働きをコントロールしている自律神経の働きを乱し、胃の“動き”や“知覚”の異常をまねきます。これに加え、不規則な生活や食生活の乱れなどによる胃酸の刺激、ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)の感染なども胃に機能異常を生じさせる要因です。
機能性ディスペプシアは、近年、新しく確立した概念で、これによって検査をしても異常がない慢性的な胃の不調が治療によって治せるようになりました。治療は薬物療法が中心で、症状に適した薬を単独、あるいは組み合わせて用います。

*ディスペプシアは「胃を中心とした不快な症状」や「消化不良」などの意味


こんな症状があれば機能性ディスペプシアかも

わたしたちの胃は、食べものが入るとそれを受け入れるために胃の上部がふくらみ、胃壁から胃酸と消化酵素を分泌します。そして、ぜん動運動によって食べたものと胃液を混ぜ合わせ、十二指腸へ送り出します。この一連の胃の働きや胃の知覚に異常が生じた状態が、機能性ディスペプシアです。
代表的な症状は、「胃痛(みぞおちの痛み)」「食後の胃もたれ」「早期満腹感」「みぞおちの焼ける感じ」です。その他の症状に、「おなかの張り」「吐き気」「食欲不振」などがあります。
こうした胃の症状があり、「胃潰瘍や胃がんなど原因となる病気がない」「症状が週2〜3回以上起こり、それが6カ月以上前から3カ月以上続いている」という条件がそろった場合、機能性ディスペプシアと診断されます。


機能性ディスペプシアを予防・改善するには

胃の機能異常を引き起こすストレスや不規則な生活を改善し、胃の働きをコントロールしている自律神経の働きを整えることが大切です。胃に負担をかける食生活、たとえば、食べすぎや早食い、脂っこいものや甘いもの、刺激物のとりすぎ、お酒の飲みすぎなども控えましょう。たばこも胃の働きを低下させるため、禁煙することをおすすめします。


監修者プロフィール

岡田 邦夫 OKADA KUNIO

プール学院大学教育学部教育学科教授、健康・スポーツ科学センター長。大阪ガスグループ健康開発センター 統括産業医。糖尿病などの生活習慣病、メンタルヘルス、スポーツ医学など幅広い専門分野をもち、長年にわたり健康指導や講演など多方面で活躍している。著書も多数出版。

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