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3月:乳房のしこり

乳房のしこりは、乳がんの症状としてもっとも多くみられるものです。ただし、しこりがあれば必ず乳がんというわけではありません。そのため、いたずらに怖がらず、すぐに専門医のいる病院で検査を受けましょう。乳がんはまれに男性にもみられます。

しこりが良性か悪性かを確認することが大事

乳房のしこりには良性と悪性があり、大半は乳腺線維腺腫や乳腺症などによる良性のしこり。乳腺線維腺腫は20〜30歳代に、乳腺症は30〜40歳代に多く、良性のしこりは治療せず経過観察をするのが一般的です。
一方、悪性のしこりができるのが乳がんで、女性は40〜60歳代に多くみられます。しこり以外の症状として、皮膚のくぼみや乳房のひきつれ、乳頭からの異常な分泌物などがあります。乳がんは命に関わる病気のため、一刻も早く治療をはじめることが大切です。男性の乳がんは、60歳代以降に多くみられる傾向があります。
しこりが良性か悪性かは触っただけではわかりません。乳房にしこりがあれば乳腺専門医がいる病院で検査を受けましょう。しこりが良性だった場合も定期的に検査を。良性のしこりががんに変化することはほとんどありませんが、良性か悪性かの鑑別がむずかしいしこりも少なくないからです。


乳がん検診と自己検診で早期発見を

悪性のしこりができる乳がんは、良性のしこりができる乳腺症などに比べて罹患数は少ないものの、女性ではもっとも多いがんで、年間約7万人が乳がんと診断されています。
乳がんの発症には女性ホルモンのエストロゲンが関与しており、晩婚化や少子化、未婚化によってエストロゲンにさらされる期間の長い女性が増えていることが、乳がん増加の一因と考えられています。
乳がんは早期のうちに発見し治療すれば、ほぼ完治します。がんが非常に小さい石灰化の状態では乳房を触ってもしこりを感じないため、女性は国の推奨年齢である40歳になったら乳がん検診を受けましょう。40歳未満で乳がんになる女性も増えているため、20歳になったら月1回、自己検診をすることも大切です。



監修者プロフィール

岡田 邦夫 OKADA KUNIO

プール学院大学教育学部教育学科教授、健康・スポーツ科学センター長。大阪ガスグループ健康開発センター 統括産業医。糖尿病などの生活習慣病、メンタルヘルス、スポーツ医学など幅広い専門分野をもち、長年にわたり健康指導や講演など多方面で活躍している。著書も多数出版。

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