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2月:胸の痛み

胸の痛みが起こる病気は心筋梗塞や狭心症、解離性大動脈瘤、肺塞栓症、逆流性食道炎、肋間神経痛…などさまざまです。心筋梗塞や狭心症、解離性大動脈瘤などは命に関わることもあります。胸の痛みがあるときは医療機関を受診しましょう。

緊急性が高い胸の痛み

突然、圧迫されるような激しい胸の痛みにおそわれたときは、心筋梗塞や狭心症が疑われます。痛みが上半身に広がることもあります。心筋梗塞は心臓に血液を供給する冠動脈が詰まる病気で、すぐに治療しなければ死に至ります。狭心症は冠動脈が一時的に狭くなる病気ですが、心筋梗塞に移行するケースもあるため軽視は禁物です。
突然、胸から背中、腰にかけて激しい痛みがあれば解離性大動脈瘤の可能性が。心臓から全身に血液を送る大動脈の壁に亀裂が入り、コブ状のものができる病気で、コブが破裂すれば命に関わります。心筋梗塞や狭心症、解離性大動脈瘤は、いずれも動脈硬化がおもな要因です。
突然、呼吸困難や胸の痛みが生じたときも要注意。足などにできた血栓(血のかたまり)が肺動脈に流れ込み、詰まる肺塞栓症などの重篤な肺の病気が疑われます。


消化器や神経の病気でも胸に痛みが

食後に締め付けられるような胸の痛みや胸焼けがあれば、逆流性食道炎の可能性があります。おもな要因は暴飲暴食や加齢、肥満などです。脂肪分の多い食事やアルコールをとったあとに腹痛とともに胸のあたりに痛みを感じるときは、アルコールや胆石などによる急性すい炎の場合もあります。
体をひねったり伸ばしたりしたとき、左右どちらかの肋骨に沿って痛みが走るときは肋間神経痛と考えられます。このほか、胸に痛みがあるのに検査をしても異常がなく、安静時に心臓のあたりがズキズキ、チクチクと痛み、胸を手で押すと痛みが増すときは、ストレスや過労による心因性の心臓神経症が疑われます。


動脈硬化を防ぐ生活習慣

心筋梗塞や狭心症、解離性大動脈瘤は突然死のリスクが高いため、予防することが大切です。おもな要因である動脈硬化の危険因子は、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や、肥満、喫煙、ストレスなど。生活習慣を改善して、こうした危険因子を減らしましょう。また、睡眠中、一時的に無呼吸になる睡眠時無呼吸症候群も動脈硬化を悪化させるため、いつも大いびきをかいている人は専門医に相談しましょう。
肺塞栓症は長時間同じ姿勢をとり、足などに血栓ができることで起こるため、こまめに足や足指を動かしたり、歩いたり、水分を補給することが予防につながります。



監修者プロフィール

岡田 邦夫 OKADA KUNIO

プール学院大学教育学部教育学科教授、健康・スポーツ科学センター長。大阪ガスグループ健康開発センター 統括産業医。糖尿病などの生活習慣病、メンタルヘルス、スポーツ医学など幅広い専門分野をもち、長年にわたり健康指導や講演など多方面で活躍している。著書も多数出版。

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