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6月:目のかすみ・視力低下

目のかすみや視力の低下を感じていても「目が疲れているだけだろう」「老眼のせいだろう」と思って、放置している人が少なくありません。しかし、放っておくと悪くなる一方です。また、白内障や緑内障、糖尿病網膜症などの目の病気が隠れていることもあるため注意しましょう。

目の疲れや老眼も放置は禁物

目のかすみや視力低下の多くは、パソコンやスマートフォンなどを長時間見ることによる目の疲れや老眼が原因です。目の疲れや老眼は大したことがない、仕方がない…と放置されがちですが、目の疲れを放っておくと眼精疲労に発展し、セルフケアでは回復しにくくなります。肩こりや頭痛、吐き気、イライラなどの症状も現れるようになります。老眼も放置するとムリにピントを合わせようとするため目に負担がかかり、老眼が進みやすくなって目のかすみや視力が悪化します。
ドライアイにも注意しましょう。目を守っている涙の量が減って目の表面に傷がつく病気で、目のかすみや視力低下などのさまざまな症状を引き起こします。近年、増加していますが、単なる目の疲れだと思って放置している人が少なくありません。
人間は外部からの情報の8~9割を目から得ているため、見えにくさは暮らしにくさに直結します。日ごろから目の調子に気を配り、こまめにケアすることが大切です。


目のかすみや視力低下をまねく目の病気

目のかすみや視力の低下は、白内障や緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などの目の病気によっても起こります。緑内障や糖尿病網膜症、加齢黄斑変性は失明のキケンがあるため、とくに注意が必要です。
こうした目の病気にできるだけ早く気づくためにも、目のかすみや視力の低下を感じたら放置しないことが大切です。また、初期のうちは自覚症状がない病気も多いため、目の病気のリスクが高まる40歳ごろになったら定期的に眼科検診を受けることをおすすめします。

●白内障 ~加齢によって起こる老化現象~

目の水晶体が白く濁る病気。水晶体はカメラのレンズにあたるものなので、濁ると視界がかすんだり、視力が低下します。ただし、ゆっくりと進行するため初期のうちは自覚症状がほとんどありません。
おもな原因は加齢です。そのため完全に予防することはできませんが、治療により視力を取り戻すことができます。


●緑内障 ~成人が失明する原因の第1位~

目から入ってきた情報を脳に伝える視神経が障害され、視野が欠けたり、視力が低下する病気。原因は解明されていませんが、眼圧の上昇が発症に関係しています。
非常にゆっくりと進行するため、かなり悪化するまで症状を自覚することができません。しかし、治療が遅れると失明することがあり、現在、成人が失明する原因の第1位です。早期発見には定期的な眼科検診が欠かせません。


●糖尿病網膜症 ~糖尿病の3大合併症のひとつ~

糖尿病によって目の網膜が障害される病気。糖尿病の発見が遅れたり、治療をせずに放置することで発症します。初期のうちは自覚症状がなく、進行すると視界がかすみ、視力が低下します。さらに進行すると網膜はく離や緑内障を併発したり、失明することも少なくありません。
糖尿病やその予備群の人は自覚症状がなくても血糖コントロールを行い、定期的に眼科検診を受けることが大切です。


●加齢黄斑変性

加齢によって目の網膜の中心にある黄斑部が変性する病気で、近年急増しています。視野の中心部が見えにくくなりますが、初期は症状を自覚することができません。進行すると視力が低下し、失明することがあります。
加齢は避けられませんが、禁煙やバランスのよい食事、日光から目を守ることでリスクを減らすことができます。また、早期発見のために、定期的に眼科検診を受けましょう。



監修者プロフィール

岡田 邦夫 OKADA KUNIO

プール学院大学教育学部教育学科教授、健康・スポーツ科学センター長。大阪ガスグループ健康開発センター 統括産業医。糖尿病などの生活習慣病、メンタルヘルス、スポーツ医学など幅広い専門分野をもち、長年にわたり健康指導や講演など多方面で活躍している。著書も多数出版。

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