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4月:信頼関係をゲットする初対面術

音無しずか
「なにを話そう」とあせるほど空回りしてしまうの。
押野ツヨシ
相手がテンパってると、こっちも緊張してきちゃうんだよな。
秀吉部長
話しができなくてもいい。まずは肩の力を抜くことを意識しよう。

初対面を制する心構えとは

「初対面が得意!」という人にワシは会ったことがない。たいていの人は苦手意識をもっているもんじゃ。たとえば、テレビのトーク番組で30年以上司会をつとめる大物タレント。初対面のプロともいえる彼ですら「自分は人見知り」といっている。なら、どうして初めての相手と楽しげに会話ができるのか。その心構えとして「初対面の相手と思わないようにしている」とのこと。目の前にいるのが自分の友人であれば、気持ちも楽になり、笑顔も自然にこぼれるじゃろう。うまく話そうとしなくていい。初対面を攻略するファーストステップは、肩の力を抜いて相手に向き合うこと。こちらの態度が相手にも伝わって、リラックスした場になれば成功じゃ。

毛利元就のお餅作戦

「類似性の法則」という言葉を知っておるかな?平たくいうと「人は自分と似た人を好きになる」ということじゃ。人には個性があり、考え方もさまざまだが、相手と親しくなるためには自分をおさえて相手に合わせよう。これをうまく取り入れた武将が「3本の矢」で有名な毛利元就(もうりもとなり)。部下を招く前に酒と餅を用意して、部下が酒好きであれば「酒をたくさん飲めるとは頼もしい」といっしょに飲み、部下が下戸であれば「酒を飲まないのは体にいい」といっしょに餅を食ったという。弱小国の領主に生まれながら、一代で中国地方を制覇できたのは、この人心掌握の巧みさに秘訣がありそうじゃ。これをまねて、事前に相手の好みを調べて、それに合わせたネタを用意しよう。無理なら会話のなかで引き出していくべし。共通ネタが見つかれば万々歳だが、自分に興味や知識のない分野であってもあせるなかれ。「好きになったきっかけ」や「魅力」について質問すれば、相手は嬉々として語ってくれるはず。相手を理解しよう、歩み寄ろうという姿勢が2人の距離を縮めてくれるぞ。

会話以外でも印象をアップ

初対面の印象は、会話の内容だけでなく、話す相手の雰囲気や印象でも左右される。なので、言葉以外の部分で相手にアピールできる「ペーシング」はオススメじゃ。ペーシングとは、相手のペースに自分を合わせていくことで、たとえば相手がゆっくりした話し方であれば、自分もゆっくり話し、声の小さな相手には、こちらも声のボリュームを下げるなどじゃ。人間はだれでも「自分らしい」状態が一番心地よい。だから相手にペースを乱されるとイライラして「自分勝手な人だ」なんてマイナス評価をくだす。そんな状態に陥らないよう相手をしっかり観察するべし。楽器を2人で演奏するイメージで、相手の息遣いや音色に耳を傾けながら、自分の楽器を少しずつチューニングしていこう。さすれば美しいハーモニーが生まれ、相手はあなたに好意と信頼を抱くこと間違いなしじゃ。

押野ツヨシ
ペーシングって、なんか難しそうだなあ。
秀吉部長
子どもと話すときは自然にやっとるじゃろ。あの要領じゃ。
音無しずか
それを大人に応用するのね。ハードルが下がった感じだわ(笑)


監修者プロフィール

天野 勢津子 AMANO SETSUKO

男女共同参画センター情報アドバイザーとして13年間勤務。
年間300件を超える情報相談に応じ、「職場の人間関係」「ハラスメント」「コミュニケーション」など、さまざまな悩みやトラブルを抱える人たちを支援。
現在は講師としても活動中。

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