家族みんなで取り組もう!
肥満予防のための3つの健康課題
2型糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病は大人になって突然発症するものではなく、多くは幼児期(1~6歳未満)の肥満に端を発しています。成人してからの疾病リスクを軽減し、健康寿命を延伸するためにも、こどもの頃から適切な生活習慣を身につけることが重要になります。思春期(10~18歳)になると定着した生活習慣を改めることは難しくなるため、早い時期から家族で協力して生活習慣の改善に取り組むことが大切です。結果的には家族みんなの健康をもたらすでしょう。
健康課題 1
規則正しい食習慣と食事を楽しむ工夫をしよう
発育・発達の重要な時期のこどもにとって、食事はすこやかな心と体を育むための基本です。肥満予防・改善のためには、適切な量と栄養バランスのとれた食事が大切です。幼児肥満の食事の特徴は、1回の使用食品の数が少なく、単品献立が多い傾向にあります。また、肥満度が高くなるほど食物繊維量は減少し、塩分量も高いというデータもあります。
- ※出典:「幼児肥満ガイド」(日本小児医療保健協議会)
こどもの食事は、1日にどれくらいの量で、どんな献立がよいのでしょうか?
幼児期の1日に必要なエネルギー量の目安は、1~2歳児で 900~950Kcal、3~5歳児で1,250~1,300kcalです。1日3回の食事+1回の間食(おやつ)をとりましょう。肥満予防には栄養バランスのよい一汁二菜(主食、汁物、主菜、副菜)の献立をおすすめしますさらに詳しく
社会情勢やライフスタイルの変化にともない、親の仕事やこどもの習い事で帰宅時間がバラバラになるなど、家族全員がそろって同じ時間に食事をとることが難しくなっています。食事は家族とのコミュニケーションやマナーを学ぶ大切な場であり、健康的な食習慣とともに心の安定につながります。

好き嫌いが多く、食べる意欲も少ないこどもには、どのように接したらよいでしょうか?
こども一人だけの「孤食」にならないように、無理のない範囲で家族一緒に食卓を囲んで楽しい雰囲気づくりを心がけましょう。また、「食」に関する絵本やままごと遊びなど、こどもが興味関心あるものをとおして、「食べてみよう」という気持ちにつながることもありますさらに詳しく
健康課題 2
家族みんなでしっかり体を動かそう
こどもの肥満予防・改善には健康的な食生活だけでなく、幼児期から運動習慣を身につけることが大切です。こどもの外遊び離れが増加し、生活全体が便利になったことで家事のお手伝いをする機会が少なくなるなど、歩くことをはじめとした身体活動量が減少しています。さらに、テレビやゲームなどに費やす「スクリーンタイム」の座位行動は、過食や睡眠時間の減少とも関連し、肥満症をまねくなど体に悪影響をおよぼします。座りっぱなしの時間を減らし、外で体を動かすように心がけましょう。

どれくらいの時間、どんな運動をすればいいですか?
特別負荷の強い運動や無理なお手伝いは長続きしないので、体を使う遊びを中心に、毎日合計60分以上体を動かしましょうさらに詳しく
健康課題 3
十分な睡眠をとろう
24時間社会やデジタル化が進み、大人に同調してこどもの生活リズムも夜型傾向になるなど、睡眠不足が問題になっています。2001年に出生した4万人以上のこどもの睡眠習慣について追跡調査を実施したところ、4歳6ヶ月のこどもの就寝時間は21時台がもっとも多く(50.1%)、21 時前に就寝するこどもは5人に1人以下という結果となりました(※)。睡眠不足は将来の肥満の危険因子になります。日中はしっかり食べて体を動かし、夜はぐっすり眠ることが肥満予防で重要です。
(※)出典:e-ヘルスネット「子どもの睡眠」(厚生労働省)


寝ないこどもは、なぜ太るのでしょうか?
睡眠時間が短いこどもは、朝食欠食や夜食摂取の割合が多いとされています。さらに、短時間睡眠は、食欲を調節するホルモンのバランスが崩れ、食生活の乱れにつながりますさらに詳しく
ご家庭で身長と体重、BMIの変化もしっかりチェックしましょう
幼児期後期から小学校高学年まで肥満の出現率は年齢とともに増加し、肥満度も年齢とともに悪化する傾向があります。幼児の場合、1年間で3㎏を超える急速な体重増加は肥満の兆しのサイン。太り始めたら早い時期に対策を始めることが大切です。

まずはできることから取り組みましょう!
子育ての中で思い通りにいかないことは本当にたくさんありますよね。忙しい中、せっかく作ったご飯を食べてくれなかったり、夜もなかなか寝てくれなかったりする日があったり…。私自身も2歳のこどもの子育てに奮闘中ですが、試行錯誤の毎日です。すべてを完璧にすることは難しいですが、こどもの健康のためにできることから習慣化して取り組んでいきましょう。
幼児期の1日に必要なエネルギー量の目安は、1~2歳児で900~950Kcal、3~5歳児で1,250~1,300kcalです。1日3回の食事+1回の間食(おやつ)をとりましょう。肥満予防には栄養バランスのよい一汁二菜(主食、汁物、主菜、副菜)の献立をおすすめします
- ※出典:「日本人の食事摂取基準2020年版」(厚生労働省)
- 適切な食事量を把握
- 幼児期の食事量は、大人の1/2~2/3くらいのイメージです。何をどれくらい食べているのか把握するためにも1人分ずつ盛り付けるようにしましょう。また、決まった時間に食事をとることは、体内時計を整える大切な役割があります。朝食を抜いたり、複数回の間食で菓子類を食べたりすると肥満を悪化させる要因となります。
- 「一汁二菜」「さわやかだ」を意識した献立
- 主食・主菜・副菜を組み合わせた和食は、栄養バランスが整いやすい献立です。主菜は肉類に偏らずに卵類や魚介類などをバランスよく献立に入れ、塩分が多い加工食品は控えます。野菜や海藻などの副菜は噛みごたえのある料理がおすすめです。よく噛んでゆっくり食べることで満腹感が得られやすくなり肥満予防につながります。

- 間食で足りない栄養の補給
- こどもの間食(おやつ)は、食事で不足しがちな栄養素を補うための重要な役割を持っています。おにぎりやいもなど、体を動かすためのエネルギーになる炭水化物を中心に、食事で不足しがちなカルシウムや鉄分、食物繊維などがとれる野菜や果物、乳製品を組み合わせるのがおすすめです。
体型や性別、食べる量など個人差はありますが、1~2歳で100~150kcal、3歳以上で100~200kcalを目安に、次の食事に響かないようにしましょう。
- ※出典:食品成分データベース(文部科学省)
こども一人だけの「孤食」にならないように、無理のない範囲で家族一緒に食卓を囲んで楽しい雰囲気づくりを心がけましょう。また、「食」に関する絵本やままごと遊びなど、こどもが興味関心あるものをとおして、「食べてみよう」という気持ちにつながることもあります
- 苦手な食材は味付けや料理法などを工夫する
- たとえば、苦手な野菜を小さく刻んで好物の卵焼きに入れると食べてくれることがあります。工夫しても食べない場合、無理に食べさせることはおすすめしません。食事そのものが嫌いにならないように注意してください。
- できるだけ大人と同じ献立にする
- こどもが苦手な食材でも大人が楽しく美味しそうに食べている姿を見ることで、食への意欲につながることもあります。こどもが食べやすいように、食材の大きさややわらかさ、味付けに配慮するなど工夫してみましょう。

- 遊びやお手伝いから食事への意欲につなげる
- 食事に関する楽しい経験を積み重ね、「食べたい」という意欲につなげることが大切です。お手伝いができるようになったら、一緒にスーパーで食材を選んだり、できる範囲で料理したりするといいでしょう。自分で作ったものは美味しいし、「できた」という自信や達成感にもつながります。
- 外で食事をするなど環境を変える
- レストランや公園での外食、家の中でも料理をお弁当箱に詰めてピクニックを演出するなど、少しの環境の変化でもこどもはうれしい気持ちになるでしょう。


特別負荷の強い運動や無理なお手伝いは長続きしないので、体を使う遊び、散歩、できる範囲のお手伝いなどを中心に、毎日合計60分以上体を動かしましょう
- ひとり歩きができるようになったら散歩する
- 保育園・幼稚園やスーパーなど大人が歩いて5分圏内であれば歩いていきましょう。歩くことで自然に体力がつき、散歩中にさまざまな景色を見たり触れたりすることで好奇心も育みます。何より親子の貴重なコミュニケーションの時間にもなります。

- 外遊びで体を動かす
- 外遊びの時間が多い幼児ほど体力が高い傾向にあります。体に過剰な負担がかからず一人ひとりの成長に合った遊びは、自然に体の動きを獲得することができ、ケガの予防にもつながります。夢中になって遊ぶことが、生涯にわたって運動を楽しむための基盤づくりになります。

- お手伝いで体を動かす
- 遊びと同様にこどもの成長に合わせ、できる範囲のお手伝いをしてもらうといいでしょう。テーブル拭きやごみ捨てなどの小さな動作でも、毎日こまめに動くことが大切です。


睡眠時間が短いこどもは、朝食欠食や夜食摂取の割合が多いとされています。さらに、短時間睡眠は、食欲を調節するホルモンのバランスが崩れ、食生活の乱れにつながります
短時間の睡眠はスクリーンタイムの増加や日中の活動性の低下による運動不足と相関しています。また、食欲抑制ホルモンである「レプチン」が減少し、摂食刺激ホルモンである「グレリン」が増加することで肥満につながります。さらに、塩分の多い食品やお菓子の嗜好にもつながります。

就寝前のスマートフォン・タブレットの使用は控えよう
スマートフォン・タブレットなどから発せられる光によって、睡眠や覚醒のリズムを調節するホルモン「メラトニン」の分泌を低下させ睡眠導入を遅らせます。




