健康に過ごすHealthcare

健康について考えよう!生涯の健康のために
こどもの生活リズムを整えよう

健康について考えよう!生涯の健康のためにこどもの生活リズムを整えよう

先月はこどもの肥満が将来の健康を左右することをお伝えしました。こどもの肥満予防・改善は、早い時期から規則正しい生活習慣を身につけることが重要です。小児科医の須永紋奈先生に、こどもの生活リズムを整えるためのポイントを伺いました。

家族みんなで取り組もう!
肥満予防のための3つの健康課題

2型糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病は大人になって突然発症するものではなく、多くは幼児期(1~6歳未満)の肥満に端を発しています。成人してからの疾病リスクを軽減し、健康寿命を延伸するためにも、こどもの頃から適切な生活習慣を身につけることが重要になります。思春期(10~18歳)になると定着した生活習慣を改めることは難しくなるため、早い時期から家族で協力して生活習慣の改善に取り組むことが大切です。結果的には家族みんなの健康をもたらすでしょう。

健康課題 1
規則正しい食習慣と食事を楽しむ工夫をしよう

発育・発達の重要な時期のこどもにとって、食事はすこやかな心と体を育むための基本です。肥満予防・改善のためには、適切な量と栄養バランスのとれた食事が大切です。幼児肥満の食事の特徴は、1回の使用食品の数が少なく、単品献立が多い傾向にあります。また、肥満度が高くなるほど食物繊維量は減少し、塩分量も高いというデータもあります。

  • ※出典:「幼児肥満ガイド」(日本小児医療保健協議会)
Q

こどもの食事は、1日にどれくらいの量で、どんな献立がよいのでしょうか?

A

 

社会情勢やライフスタイルの変化にともない、親の仕事やこどもの習い事で帰宅時間がバラバラになるなど、家族全員がそろって同じ時間に食事をとることが難しくなっています。食事は家族とのコミュニケーションやマナーを学ぶ大切な場であり、健康的な食習慣とともに心の安定につながります。

Q

好き嫌いが多く、食べる意欲も少ないこどもには、どのように接したらよいでしょうか?

A

健康課題 2
家族みんなでしっかり体を動かそう

こどもの肥満予防・改善には健康的な食生活だけでなく、幼児期から運動習慣を身につけることが大切です。こどもの外遊び離れが増加し、生活全体が便利になったことで家事のお手伝いをする機会が少なくなるなど、歩くことをはじめとした身体活動量が減少しています。さらに、テレビやゲームなどに費やす「スクリーンタイム」の座位行動は、過食や睡眠時間の減少とも関連し、肥満症をまねくなど体に悪影響をおよぼします。座りっぱなしの時間を減らし、外で体を動かすように心がけましょう。

Q

どれくらいの時間、どんな運動をすればいいですか?

A

健康課題 3
十分な睡眠をとろう

24時間社会やデジタル化が進み、大人に同調してこどもの生活リズムも夜型傾向になるなど、睡眠不足が問題になっています。2001年に出生した4万人以上のこどもの睡眠習慣について追跡調査を実施したところ、4歳6ヶ月のこどもの就寝時間は21時台がもっとも多く(50.1%)、21 時前に就寝するこどもは5人に1人以下という結果となりました(※)。睡眠不足は将来の肥満の危険因子になります。日中はしっかり食べて体を動かし、夜はぐっすり眠ることが肥満予防で重要です。

(※)出典:e-ヘルスネット「子どもの睡眠」(厚生労働省)

Q

寝ないこどもは、なぜ太るのでしょうか?

A

ご家庭で身長と体重、BMIの変化もしっかりチェックしましょう

幼児期後期から小学校高学年まで肥満の出現率は年齢とともに増加し、肥満度も年齢とともに悪化する傾向があります。幼児の場合、1年間で3㎏を超える急速な体重増加は肥満の兆しのサイン。太り始めたら早い時期に対策を始めることが大切です。

まずはできることから取り組みましょう!

子育ての中で思い通りにいかないことは本当にたくさんありますよね。忙しい中、せっかく作ったご飯を食べてくれなかったり、夜もなかなか寝てくれなかったりする日があったり…。私自身も2歳のこどもの子育てに奮闘中ですが、試行錯誤の毎日です。すべてを完璧にすることは難しいですが、こどもの健康のためにできることから習慣化して取り組んでいきましょう。

INFORMATION

プロフィール 須永紋奈
小児科医、専門は小児糖尿病。2017年奈良県立医科大学医学部医学科卒。日本小児科学会、日本糖尿病学会、日本小児内分泌学会所属。現在は一般小児診療、乳幼児健診に従事しながら、大阪公立大学医学部附属病院で小児糖尿病の診療・研究を行う。一児の母としての自身の経験を活かし、医師という立場から子育て世代への健康アドバイスなども行っている。
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