日本では20歳以上の約2人に1人※が高血圧です。血圧を上げる要因は、日々の生活習慣に潜んでいます。また、高血圧は放置すれば脳卒中や心筋梗塞を引き起こす怖い病気ですが、健康診断では見つからない場合があります。こうした高血圧の盲点を理解し、予防や改善、早期発見に取り組みましょう。
※出典:生活習慣病などの情報(厚生労働省e-ヘルスネット)
その生活習慣が血圧を上げているかも
みなさんは日々の食事の塩分量を気にしていますか。日本人の高血圧の最大の要因は塩分のとりすぎです。しょうゆや塩、味噌などを多用する日本の食事は塩分が多いためです。このほか肥満や運動不足、多量飲酒、喫煙、睡眠不足なども血圧を上げる要因です。思い当たる人は生活習慣を見直してみましょう。
また、これからの暑い季節は、猛暑の屋外と冷房の効いた屋内の温度差が大きくなり、血圧が変動し、脳卒中や心筋梗塞をまねく「ヒートショック」が起こりやすくなります。ヒートショックは冬のイメージがありますが、夏にも起こるため血圧が高い人や高齢者はとくに注意しましょう。
- 食塩摂取量の目標は1日に男性7.5g未満、女性6.5g未満※。現状は2~3gオーバーしている。
- 加工食品やインスタント食品、市販の弁当・惣菜、外食などは味つけが濃いものが多い。
- ※出典:日本人の食事摂取基準2025年版(厚生労働省)
- <改善ポイント>
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- 麺類の汁は残す(麺だけの塩分は1g未満)。
- 漬け物や加工食品、外食を控える。
- 味を確かめてから調味料を使う。
- 野菜やくだものを積極的にとる。
- 減塩の調味料を使う。
- 塩分の代わりに香辛料や酸味を利用する。
- 自律神経の交感神経優位が続くことなどで血圧が上がる。
- <改善ポイント>
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- 睡眠は6~8時間を目安にとる。
- 昼寝をするなら15時までに30分以内で。
- こまめにリラックスや気分転換を心がける。
- 脂肪、とくに内臓脂肪が血圧を上げるはたらきをする。
- <改善ポイント>
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- お酒は少量でも高血圧の発症リスクを高める。
お酒を飲む場合は適量を守る。
- <改善ポイント>
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- 適量は純アルコール量で1日に男性20g未満、女性10g未満。
週1~2日は休肝日を設ける。
- 【純アルコール量20g相当のお酒の量】
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- ビール(5%):
- ロング缶1本(500mL)
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- 焼酎(25度):
- グラス1/2杯(100mL)
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- ワイン(12%):
- グラス2杯弱(200mL)
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- 缶チューハイ(7%):
- 缶1本(350mL)
健康診断ではわからない「仮面高血圧」
健康診断や診察室で測った血圧(診察時血圧)は正常範囲の「収縮期血圧140mmHg未満かつ/または拡張期血圧90mmHg未満」なのに、家庭などで測定した血圧(診察室外血圧)は高血圧に該当する人がいます。これを「仮面高血圧」といい、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクは通常の高血圧と同程度かそれ以上とされます。仮面高血圧を早期発見するためには家庭血圧を測定することが重要です。
- ※白衣高血圧とは、医療現場での血圧値が140/90mmHg以上であっても、家庭での血圧値は135/85mmHg未満の正常値を示す状態のことです。
将来、高血圧に移行することが多く、脳卒中や心筋梗塞のリスクも高くなっています。
- *出典:高血圧管理・治療ガイドライン2025(日本高血圧学会)を基に改変
仮面高血圧の3タイプ
- 早朝高血圧
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- 夜間から早朝にかけて血圧が高くなるタイプと、早朝になると急に血圧が上がるタイプがある。
- 早朝に家庭で測定した血圧が、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上。
- おもな要因
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- アルコール
- 喫煙
- 降圧薬の効く時間が短い
- 朝の冷え込み など
- 夜間高血圧
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- 昼間より夜間に血圧が高くなるタイプと、夜間に血圧があまり下がらないタイプがある。
- 夜間に測定した血圧が、収縮期血圧120mmHg以上かつ/または拡張期血圧70mmHg以上。
- おもな要因
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- 糖尿病などによる自律神経障害
- 睡眠時無呼吸症候群
- 抑うつ状態 など
- 昼間高血圧
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- 昼間にストレスがかかったとき急激に血圧が高くなる。
- ストレスの強い職場などで昼間に測定した血圧が、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上。
- おもな要因
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- 職場や家庭での精神的ストレス
- 身体的ストレス など
家庭血圧の正しい測り方
家庭血圧は毎日、朝と夜の2回測るのが原則です。家庭血圧計はカフ(腕帯)を上腕に巻くタイプが推奨されています。
- 測り方のポイント
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- 椅子の背もたれにもたれてリラックスする。
- 足を組まず、両足を床につける。
- 腕の力を抜いてテーブルの上に置き、手のひらを上に向ける。
- カフは心臓の高さで上腕の素肌に巻く。
- 静かな室内で、会話や動作を避ける。
- 椅子に座って1〜2分経ってから測定する。
病気が原因で高血圧になることも
高血圧の大半は生活習慣や遺伝が原因の「本態性高血圧」ですが、ほかの病気が原因で高血圧になることもあります。これを「二次性高血圧」といい、原因となる病気を治療することで高血圧が改善する可能性があります。高血圧と診断する場合は、二次性高血圧かどうかを確認することになっています。しかし、二次性高血圧は気づきにくいため本態性高血圧の治療を続けている人が少なくありません。気になるときは、医師に相談してください。
二次性高血圧の原因となるおもな病気
- 原発性アルドステロン症
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副腎からアルドステロンというホルモンが過剰に分泌される病気。過剰なアルドステロンが血圧を上昇させる。
- 腎実質性高血圧
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糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎などの腎臓の病気により、排泄機能が低下するなどして生じる高血圧。
- 睡眠時無呼吸症候群
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睡眠中に無呼吸をくり返す病気。無呼吸によって交感神経が活性化して血圧が上がる。大きないびきや日中の眠気が特徴。