一口一口しっかり噛むのが体によいとわかっていても、慌ただしい日常でつい速食い※になってしまう人は多いのではないでしょうか。しかし、ゆっくりよく噛んで食べることは、食べすぎを防ぐなど、健康的な食生活につながることが期待されています。今日から早速、意識してみましょう。
※「速食い」は「早食い」と表記されることが多いですが、食べるスピードが速いことを表現するため「速食い」としています。
「速食いすると太る」は本当だった
近年の疫学調査により、速食いの習慣がある人は、肥満傾向にあることがわかってきました。また、速食いの人ほどメタボリックシンドロームになりやすいことなども報告されています。
速食いをすると満腹中枢が刺激される前に食べすぎてしまい、摂取エネルギーが増えることが肥満につながると考えられています。
速食い
- 肥満になりやすい
- 20歳時点からの体重増加が多い
- 3年後にメタボリックシンドローム*と診断される割合が増加する※
- 濃い味に慣れて、塩分のとりすぎにつながる
- *メタボリックシンドローム:
- 内臓脂肪型肥満に高血圧・高血糖・脂質異常が2つ以上重なった状態で、動脈硬化が進行しやすい。
- ※出典:
- Nutrition. 2020;78:110962
ゆっくり・よく噛む
- 速食いを防ぐ
- 満腹感が得られやすく、食べすぎを防げる
- 内臓脂肪が分解されやすくなる
- 胃腸の働きを促進する
- 口の機能の衰え(オーラルフレイル*)を防ぐ
- *オーラルフレイル:
- 噛む・飲み込むなどの口の機能が衰え始めている状態で、全身の衰えにつながるリスクがある。
「カムカム習慣」を身につけよう
ゆっくりよく噛むことは「肥満症診療ガイドライン2022」(日本肥満学会)のなかでも「咀嚼法」として位置づけられており、肥満対策のひとつとして期待されています。また、食材や食べ方を工夫することも、ゆっくりよく噛むことにつながります。取り組みやすいことから始めて、「カムカム習慣」を身につけましょう。
- いつもより10回多く噛むことから始めてみる。
- よく噛みながら、よく味わって食べる。
- ひと口の量が多いと、噛む回数が減りやすい。
- ときどき箸を置くことも速食いの防止になる。
- スマホやテレビを見ながら食事をとると、噛むことに集中できない。
- 満腹感が得られるまでに20分程度かかるため、食事時間として20~30分ほど確保する。
- 硬い食品や繊維質の多い食品などを日々の食事に取り入れると、自然と噛む回数が増える。
- 食材の切り方や調理法を少し工夫するだけでも、噛む回数を増やすことができる。
- 硬い食品:
- ごぼう、にんじん、れんこん、ナッツ類など
- 繊維質の多い食品:
- キャベツ、しいたけ、わかめなど
- 弾力のある食品:
- こんにゃく、ちくわ、いか、たこなど
- 食材を大きめに切る
- 加熱時間を短くして歯応えを残す