「お灸って本当に効くの?」「やけどしたり、あとが残ったりしそう」といったイメージがあるかもしれませんが、肌にじんわりと伝わる温熱や薬効成分によって自然治癒力を高めることができ、体に優しい治療法として世界でも注目されています。
最近では、自宅で安全かつ簡単に行えるお灸が販売されています。日々のセルフケアにお灸を取り入れてみませんか?
2千年の歴史を持つ、お灸の魅力とは?
お灸は、特定のツボに刺激を与えることで気血の流れを整える東洋医学の治療法のひとつ。2千年以上の歴史があるといわれ、よもぎを原料にした「もぐさ」を直接皮膚にのせて燃焼させる「直接灸」、台座などを介して肌を温める「間接灸」があります。鍼灸院などでも扱う直接灸は経験が必要ですが、市販されている間接灸なら初心者でも使いやすいため、自分のペースで安心して取り組むことができます。
お灸の魅力は、体に無理な負担をかけずに、不快な症状を和らげたり、人間が本来持っている自然免疫を高めて健康的な体を作ることができるところ。すぐに効果を実感できることもあれば、数カ月かかることもありますが、継続することでより効果を感じられやすくなるため、無理のない範囲で少しずつ続けて、体質改善や健康維持に役立てましょう。
- ※ツボ:全身に張り巡らされた「気=エネルギー」の通り道。約360カ所あるとされる。
もぐさとは?
もぐさは、草餅やお茶、薬草風呂などに使われるよもぎを原料とします。よもぎは独特の香りと強い生命力で昔から厄除けや魔除けの植物として親しまれ、「艾葉(がいよう)」という生薬にも用いられてきました。もぐさはこのよもぎの葉を乾燥させて砕き、裏側を覆う白い綿毛だけを集めた貴重なもの。火がつきやすく消えにくいため、お灸に適しています。
お灸の効果は驚くほど多彩!
温熱刺激やもぐさの薬効成分によって、心身のさまざまな不調を整えることができると考えられています。
- 血流やリンパの流れが良くなり、肩こり・腰痛・ひざ痛、胃痛・便秘・下痢、手足の冷え・むくみなどが改善される。
- 自律神経のはたらきを整えることで体温調節機能やホルモンバランスが改善され、頭痛やめまい、ストレス、不眠、月経不順・PMS・更年期障害などの不調が軽減される。
- よもぎの精油成分「シネオール」が炎症や痛みを和らげ、リラックス効果が得られる。
- タンパク質の一種「サイトカイン」が分泌され、白血球が活性化して免疫力がアップする。
さらに、健康と密接な関係があるといわれる腸内フローラや、アトピーや花粉症などアレルギー性疾患との関連を示唆する研究も進められており、お灸の効果は驚くほど多彩です。
お灸をするときの注意点
お灸は原則ツボの上で行うため、不調を感じる部位や症状に合わせて、適切なツボを選びましょう。ツボを探すポイントは、「肌のハリがなくて凹んでいる」「押すと違和感や軽い痛みがある」など。初めてお灸をするときは、1日1回、1~3カ所、1つのツボにつき3~5分程度を目安に、リラックスした状態で、心地よいと感じる温度で行うことが大切です。
もし「熱い」と感じたら、我慢せずにすぐ取り除くこと。顔面、口や鼻の中などの粘膜、湿疹やかぶれ、傷がある箇所などは避け、食事の前後、飲酒後、入浴前後、発熱時、体力が落ちているときなどは中止しましょう。症状が改善しない場合、糖尿病などの持病がある方や妊娠中の方は、医師や鍼灸師に相談することをおすすめします。