年の初めに1年の目標や抱負を筆文字で表現する「書初め」。みなさんもお正月には筆を持って新しい年の目標をしたためてみませんか。今回は、毛筆で美しい字を書くコツを書道家の北口淡和さんに伺いました。
書く準備をしましょう
書初めに必要な道具
道具は100円ショップでも購入できます。
- 筆
- 墨または墨汁
- 硯(墨汁の場合は、使い捨て容器でも可)
- 水さし(墨汁の場合は不要)
- 下敷き
- 文鎮(ペーパーウェイトなどでも可)
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墨の磨り方
手軽に始める場合は墨汁でも問題ありませんが、本格的に書初めをしたい方は、固形墨を磨るのがおすすめです。墨を磨ることで気持ちが落ち着き、墨のよい香りに包まれてリラックスできますよ。
ポイント
昔から「墨は、老人か子供に磨らせるのがよい」といわれます。軽く弱い力で磨ることを意識しましょう。
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固形墨を斜めに持って、「の」の字を書くように手を動かす
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粘りが出てきたら、少しずつ水を加えて好みの濃さに調整する
書くときのポイント
よい姿勢で、筆の軸をしっかりと立てて書くことが基本です。
書くときの姿勢
椅子に浅く腰をかけて仙骨を立てて座り、背筋を伸ばし、肘をしっかりと上げましょう。肘を上げると筆の軸が垂直になり、字がきれいに書けます。
机の高さにもよりますが、立って書くのもおすすめです。
筆の持ち方
筆の軸の中央あたりで、親指・人差し指・中指の3本で持ちます。
薬指で後ろから支えると、安定して書くことができます。
筆に含ませる墨の量
まずは、筆の根元までしっかりと墨を含ませましょう。そうすることで、字を書くときに毛の弾力をいかすことができます。
含ませたあと、陸でならすと適量になります。墨の量が多いと、筆を持ち上げたときにぽたぽたと墨が落ちてきます。
紙を折ってガイドをつける
毛筆で書くことに慣れていない方は、書く文字数に合わせて紙を折ることで、適切な文字の大きさや書く位置の見当がつけやすくなります。
下敷きに線がひいてあるタイプもあるので、そちらを使用してもよいでしょう。
美しい字を書くコツ
基本の線は「トン・スー・トン」と筆を動かし、トメ・ハネ・ハライなどは下記のポイントを意識して、書いてみましょう。
また、字を書いているうちに穂先がバサバサに乱れてくることがありますが、この状態のまま書いてしまうと美しい文字になりませんので、整えるようにしましょう。
ハライ
飛行機が飛び立っていくように徐々に紙面から離していくイメージをする
書く練習をしましょう
練習する四字熟語は「自己実現」。意味は、自身の能力をいかし行動することで、深い喜びや満足感を実感できること。自分らしく、心身共に健康で幸せに新しい年を過ごすことを願いながら書いてみましょう。
ポイント
4文字それぞれの字の大きさがある程度同じぐらいになるように書きます。
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- 自…
- 縦画はまっすぐ書く
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- 己…
- 「コ」の部分は少し小さく、一番下の横画を長く書く
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- 実…
- 横画3本は右上がりに書き、左ハライは垂直から横へ伸ばすように書く
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- 現…
- 「王」と「見」の横画は短く書く
また、ご自身のお名前を字の左側に書いてみてくださいね。
書初めにおすすめの言葉
書初めはその年の抱負・目標や願い、縁起のよい言葉を選んで書きます。
書きたい言葉が決まっている方は、これまでに紹介したポイントを踏まえて書いてみましょう。書く言葉が決まっていない方は、下記の例を参考にしてみてください。
書初めにぴったり!
抱負や願いを表す言葉
●二字熟語
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- 吉祥…
- よい前兆。めでたいきざし
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- 豊楽…
- 豊かさの中で人々が日々を楽しんでいる様子
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- 弥栄(いやさか)…
- ますます栄えるという意味
●四字熟語
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- 初志貫徹…
- 最初に思い立った目標を、途中で諦めず最後までやり通すこと
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- 前途有望…
- 将来に大きな希望があること
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- 点滴穿石(てんてきせんせき)…
- 小さな努力の積み重ねによって、どんなことも成し遂げられるということ
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- 桜梅桃李(おうばいとうり)…
- それぞれが独自の花を咲かせること。人はそれぞれ違ってよいということ
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- 一意専心…
- 一つの物事に心を注ぐこと。他に心を向けずそのことのみを考えること
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- 家内安全…
- 家族に事故や病気がないこと。家族一同が健康であること
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- 無病息災…
- 病気がなく、健康であること
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- 笑門来福…
- 笑顔を絶やさない人の所へは、福がやってくる
2026年の干支「午」にちなんだ
ことば
●四字熟語
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- 帰馬放牛(きばほうぎゅう)…
- 平和への願いや、争いのない穏やかな1年を願うことば
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- 天馬行空(てんばこうくう)…
- 束縛されることなく、伸び伸びと自由なさま
Column
一年内観
私の所属する(一社)継未 書道塾では、毎年12月に「一年内観」という行事を行っています。
この行事では、1年を振り返り、1~3月、4~5月、6~9月、10~12月の自身に起こったできごと等をそれぞれ漢字1文字で表現していきます。さらに、1年の総評と来年の目標も漢字1文字で表します。
私も忘年会や新年会などで、友人と行っていますが、書いた字を見える所に飾っておくと、1年間目標に向かって邁進することができますよ。
みなさんも、ぜひ、お正月に周りの方々と来年の目標だけを書くプチ一年内観を楽しんでみてください。