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ネット・ゲーム依存症ネットやゲームによる
「依存」を正しく理解しよう!

ネット・ゲーム依存症 ネットやゲームによる「依存」を正しく理解しよう!

こどもがネットやゲームばかりしていることに悩んでいる家庭が増えています。ネットやゲームへの依存について、ネット・ゲーム依存症専門の予防・回復支援サービスMIRA‐i(ミライ)所長の森山沙耶さんに伺いました。

「依存」するのは
意思の弱さや性格の問題ではない

こどもが勉強せずにゲームばかりしていたり、SNSの反応が気になってスマホを手放さなくなっていたりすると、親としては心配です。「依存症になるのでは…」と不安を感じている人もいるのではないでしょうか。こどもにとってSNSやゲームは友達とつながるためや遊ぶための大事な手段です。また、SNSやゲームには「もっとやりたい!」と思わせる仕掛けがたくさんあります。10代のこどもは欲求や衝動をコントロールすることがまだ難しいため、大人に比べてネットやゲームに夢中になりやすいといえます。
ネットやゲームを長時間やっているからといって「依存」しているというわけではありませんが、「依存症」のリスクを高めます。依存症はネットやゲームから得られる楽しさや達成感を求めて長時間使用するうちに「やめたくてもやめられない」状態に陥ります。快感が繰り返されることで脳の回路が変化してしまい、日常生活に支障が出ていても欲求をコントロールできず、自分でネットやゲームに費やす時間を減らしたり、やめたりできなくなってしまうのです。決して、意思の弱さや性格などの問題ではないことを知っておきましょう。

なぜ、こどもは依存するほどネットやゲームに夢中になるの?

ネットやゲームそのものの要因に加え、満たされない現実生活からの逃避や、心理的なつらさや苦しさをやわらげようとして依存してしまうのではないかと考えられています。

ネットやゲームの要因
SNSの「いいね」機能などは承認欲求を満たし、新しい投稿が表示されるタイムラインなどは長時間の使用を誘う。ゲームは一度始めると飽きずに続けられ、勝つと達成感があり、ゲーム内でチームに貢献すると称賛されることもある。また、時間やお金をかければゲームを有利に進められる工夫がされている。
現実生活における要因
勉強や部活のつまずき、友人関係の悩み、家族関係の悪化などで日常生活に楽しさや達成感を感じにくく、ストレスや落ち込み、不安、イラ立ち、孤独、寂しさなどを抱えている。

こどもがネット依存・ゲーム依存になると、どんな影響があるの?

依存による症状に加え、生活習慣や学校などの社会生活、心理面や身体面などに悪影響がおよびます。

依存によるおもな症状

  • コントロール障害
    自分の意思ではネットやゲームをやめたくてもやめられなくなる。
  • とらわれ
    ネットやゲームが生活の中心になり、それ以外の興味・関心が低下する。
  • 離脱症状
    ネットやゲームができないときイライラや不安を感じ、攻撃的な言動がみられることもある。

依存による日常生活への悪影響

  • 睡眠
    夜更かしや朝寝坊、睡眠不足に陥る。
  • 食生活
    食事の時間が不規則になり、小食や過食、低栄養状態になりやすい。
  • 学校生活
    遅刻や欠席、授業に集中できず成績不振につながる。
  • 対人関係
    親との対立や友達関係が希薄になる。
  • 心理面
    不安やうつ状態、自信が低下する。
  • 身体面
    運動不足による筋力の低下、長時間画面を見続けることで視力の低下や疲労が続く。

禁止や取り上げではなく
良好なコミュニケーションを

こどもを心配するあまり、ネットやゲームの使用を一方的に制限していないでしょうか。「禁止」や「取り上げ」はこどもの反発をまねき、親の言うことに耳を貸さなくなってしまうことがあります。また、満たされない現実生活やつらさから逃れるためにゲームやネットをしている場合、こどもを追い詰めてしまうかもしれません。
現代社会においてネットやゲームを完全にやめさせることは現実的ではなく、ほどほどの時間にしてうまくつき合っていくことが大切です。対策として、ルールをつくる、家族でネットやゲーム以外の楽しみを増やすなどがありますが、そのための土台となるのは親子の良好なコミュニケーションです。
まずはこどもが何を、どんな目的で、どんなふうに楽しんでいるのかに関心をもち、話すことに耳を傾けてみましょう。普段からオープンに話せる関係づくりをすることで、こどもが抱える困りごとや悩みをキャッチしやすくなり、ネットやゲームへの依存を防ぐことにつながります。

ネット依存・ゲーム依存が疑われたときは

こどもがネットやゲームのやりすぎで心身に不調を生じたり、学校や家庭などに支障が出ていたら依存傾向にあると考えられます。ネット依存・ゲーム依存は自覚しにくいため家族の気づきが大切です。こどもの様子を見守るうちに深刻化することもあるため、依存が疑われたら専門機関に相談しましょう。

医療機関
ネット依存・ゲーム依存を診療している「専門外来」や「児童精神科」「小児科」「精神科」「総合病院」など。専門の医療機関に行くことに抵抗がある場合は、まずかかりつけ医に相談する。
行政・公的機関
各都道府県の精神保健福祉センターや各地域の子ども家庭支援センターなど。学校のスクールカウンセラーや養護教諭に相談して悩みを聞いてもらったり、一緒に相談先を探してもらう。
民間の相談機関
ネット依存・ゲーム依存を専門にしている民間のカウンセリング機関(保険適用外)。臨床心理士や公認心理師などの有資格者が適切な心理療法を行っているか、料金体系などが整備されているかを事前に確認すること。

Column
リモートワークで大人の依存も増えている

大人でもネット依存・ゲーム依存になる人が増えています。大人だからこそ「いつでもやめられる」と考えてしまいがちですが、ネット依存・ゲーム依存になる人はアルコール依存症やギャンブル障害などの依存症よりも多いとされています。とくにリモートワーク中は周りの目を気にしなくていいため、SNSやゲーム、動画を視聴しやすい環境です。また、ネットやゲームのやりすぎで業務がたまり、上司や同僚に連絡をしにくくなって出社できなくなるケースもあります。リモートワークによってストレスや孤独を感じやすい人や、困りごとや悩みを相談するのが苦手な人はリスクが高いと考えられます。ネットやスマホは仕事で使うことも多いですが、ネット依存・ゲーム依存にならないためには、目的をもって使うことや娯楽目的の使用をコントロールすることが大切です。

INFORMATION

監修 森山沙耶
ネット・ゲーム依存症専門の予防・回復支援サービスMIRA‐i(ミライ)所長。公認心理師、臨床心理士、社会福祉士。一般社団法人日本デジタルウェルビーイング協会代表理事。ネット・ゲーム依存の大人から子どもまでの当事者、その家族に対するカウンセリングと予防啓発のための講演、執筆活動を行っている。
https://mira-i.jp/
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