今やスマホやパソコンなどのデジタルデバイスは生活に欠かせません。だからこそ、うまくつき合っていくことが大切です。その方法のひとつに「デジタルデトックス」があります。今月は、デジタルデトックスの目的や取り組み方について、一般社団法人日本デジタルデトックス協会理事の森下彰大さんにお話を伺いました。
デジタルデトックスは
デジタル時代の「新しい休み方」
パソコンやスマホ、タブレットなどのデジタルデバイスを使って仕事をし、休憩中や移動中はぼんやりとSNSを見て、夜は動画を見る…。そんな生活をしているのではないでしょうか。
SNSや動画などを見ることは気分転換になりますが、脳の休息にはなっていません。デジタルデバイスの画面からは色や文字、映像などの膨大な情報が絶えず飛び込んでくるため、脳は処理に追われます。情報が新しいものであると脳が興奮して快楽をもっと得ようとするため、やめられなくなります。また、広告や関連情報のリンクが出てくると、閲覧するかの選択にも脳はエネルギーを使います。そのため、仕事でもプライベートでもデジタル漬けの生活をしていると脳は疲弊し、依存リスクも高まります。
そうならないためには「脳を休める」時間を持つ必要があります。デジタルデトックスはデジタルデバイスを使わない時間を意図的につくり、デジタルとうまく「共存」していこうという取り組みで、デジタル時代の「新しい休み方」といえます。
また、デジタルデバイスの使い過ぎは目の疲れや肩こり、頭痛などを引き起こします。こうした症状を減らすこともデジタルデトックスの目的です。
スマホがあるだけで注意や会話の質に悪影響をおよぼす
研究によるとスマホを使っていなくても手元にあるときは、本来向けるべき身の回りへの注意が阻害されることがわかっています(※1)。これはスマホに注意が向いてしまうためだと考えられています。同様に海外の研究でスマホが手元にないときは、あるときと比べて、会話をしている相手に共感や関心を抱く傾向が強かったという結果も出ています(※2)。スマホを使っていなくても、手元にあるだけで注意や会話の質に影響がおよぶようです。
- ※1出典:「Effect of the Presence of a Mobile Phone during a Spatial Visual Search.(携帯電話が単に置いてあることが空間的視覚探索に及ぼす影響)」Japanese Psychological R esearch,2017,Vol.59,No.2.
- ※2出典:Shalini Misra et al.The iPhone Effect:The Quality of In-Person Social Interactions in the Presence of Mobile Devices. SAGE journals.2014-07-01.
デジタルデトックスで
心と体の疲れをリセットしよう
デジタルデトックスは1日か2日しっかりやればいいというわけではなく、日常生活の中で習慣的に行うことが大切です。
また、こどもにデジタルデトックスをさせたい親御さんもいるでしょう。その場合は家族全員でデジタルデトックスに取り組み、スマホがなくてもこどもが不安にならないように過ごし方を工夫することが成功のカギになります。
今日からできるデジタルデトックス
デジタルデバイスの中でつい使い過ぎてしまうのはスマホだと思いますので、スマホをさわる時間を減らすことから始めるのがおすすめです。SNS を見過ぎてしまう人は、閲覧時間を減らすだけでも立派なデジタルデトックスになります。いろいろ試して自分や家族が続けやすいものを取り入れてみましょう。
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「デジタルフリーゾーン」を作る
デジタルフリーゾーンとはスマホを持ち込まない場所のことです。おすすめは寝室(ベッドの中)、トイレやお風呂もデジタルフリーゾーンにしやすい場所です。スマホをさわらない環境を整えましょう。
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「スマホを使わない時間」を決める
たとえば電車での移動中や食事中は、用事もないのにスマホを見てしまいがちですが、この時間を「スマホを使わない時間」にすると決めます。手持ちぶさたに感じるかもしれませんが、何もせずぼんやりしているときは、脳内で情報が整理されており、脳の負担軽減につながります。
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スマホアプリを断捨離する
1週間に1度も使用していないアプリがあれば削除します。また、使用頻度が低い、目的もないのに開いてしまうアプリなどがあれば「SNS」「ビジネス」など用途別のフォルダーに分類します。整理することでスマホを使う目的が明確になり、無意識にスマホをさわる時間を減らせます。
自然豊かな場所でデジタルデトックス
自然の中にいるとストレスが軽減することが多くの研究でわかってますが、自然豊かな場所でデジタルデトックスをすると、さらに、下記の効果が高まります。また、自然の中には興味や関心をひくものがたくさんあるためデジタルデバイスがなくても退屈しません。週末などを利用して自然豊かな場所へ出かけてみましょう。
デジタルデトックスの効果
- 頭(脳)の疲れが取れる
- 睡眠の質がよくなる
- 想像力(創造力)が高まる
- 気持ちがスッキリする
- ストレスが減る
- 五感がさえる
- 目の疲れが取れる
- 安心感が増す
- 幸せな気持ちになれる など
- ※引用:一般社団法人日本デジタルデトックス協会のホームページ
Column
「SNS2拠点生活」で使い過ぎを防ぐ
SNSの使い過ぎが気になる場合は、「SNS2拠点生活」がおすすめです。これは日本デジタルデトックス協会理事の森下さんが実践されていることで、1カ月のうち半月はアプリをインストールしてSNSを使い、残りの半月はアンインストールしてSNSを使えなくしてしまうというもの。森下さんはこれを「SNS2拠点生活」とよんでおり、アカウントを消さなくてもできるので、取り組みやすいそうです。