コンビニエンスストア(以下コンビニ)には、和食、洋食、中華、イタリアン、アジアンなど、バリエーション豊富な食品がそろい、手軽にサッと食べられるのが魅力です。その一方で、栄養バランスが気になるという方も多いでしょう。「正しい選び方をマスターすれば、コンビニごはんは食生活を豊かにします」と話す立命館大学食マネジメント学部の保井智香子教授に、健康的な食生活を送るためのコンビニごはんの選び方について伺いました。
健康のために知っておきたい
コンビニごはんの選び方
共働き家庭やひとり暮らしの増加、不規則な勤務時間などによりライフスタイルが多様化するなか、コンビニごはんは、さまざまなニーズに応えてくれます。少量のおかずもあれば、がっつり系のお弁当もあります。期間限定品が登場することもあって、コンビニに訪れるたびに新しい食に出合えるのでワクワクします。その一方で、野菜不足や栄養バランスの偏りを不安に感じているという声も聞こえます。でも、私たち自身が食についての正しい情報をキャッチする力を持っていれば、そうした不安は解消できます。
コンビニで販売されている食品には、熱量(全エネルギー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の「栄養成分表示」が義務づけられています。この5つの項目は、生活習慣病予防に深く関わっています。たとえば、高血圧予防のために食塩相当量をチェックして減塩したり、肥満防止のためにエネルギーや脂質のとりすぎに注意したりするなど、健康の維持・増進につながります。食品を選ぶ際に栄養成分表示をチェックする習慣がつけば、コンビニごはんで健康的な食生活を送れるでしょう。
コンビニごはんは、2つのとりすぎに注意
- 塩分のとりすぎ
1日の食塩摂取量の目標は、男性7.5g、女性6.5g未満におさえることです。毎日食べるごはんやおやつのほとんどには、食塩が含まれています。コンビニで商品を手に取ったら、まずはパッケージに付いている栄養成分表示に記載されている食塩の量(食塩相当量)をチェックすることを習慣づけましょう。1日の食事でだいたいどのぐらいの食塩をとっているのか把握するようにしましょう。
- 脂質のとりすぎ
唐揚げやとんかつなどの揚げ物、バターをたっぷり使用したパンなど脂質の多い商品は、食欲をそそりますね。つい手が伸びてしまいますが、脂質カロリー(脂質摂取量)が多い食事を続けると肥満や循環器疾患などで健康を損なうことにつながるため注意が必要です。全エネルギー(熱量)に対する脂質カロリーの割合を「脂肪エネルギー比率」といい、20〜30%を目量にすること。たとえば、1000kcalのお弁当なら、脂質カロリーは200〜300kcalを心がけましょう。
栄養成分表示では脂質を重量(g)で表示しているので、脂質カロリーと脂肪エネルギー比率を導く計算式を紹介します。ぜひ覚えて活用しましょう。

弁当選びで迷ったときは比べてみよう!
食品を選ぶ際のポイントは
主食・主菜・副菜をバランスよく
食事の際には、主食(ごはん、パン、麺)・主菜(肉、魚、卵、大豆、大豆製品)・副菜(野菜、きのこ、海藻類など)をとることが大事です。この3項目のバランスを意識してほしいのですが、コンビニごはんの場合、どんな商品を組み合わせたらいいのでしょう。ポイントを解説します。
コンビニごはんの組み合わせ方のポイント
- おにぎりや麺類の主菜に、惣菜をバランスよく組み合わせましょう
主食のおにぎりや麺類は、種類が豊富で選ぶ人が多いと思います。少食の人や女性は主食だけですませがちですが、鶏肉や青魚などの主菜と、野菜や海藻などの副菜を加えてバランスのいい食事にしましょう。卵や厚揚げが主菜、大根が副菜になるおでんもおすすめです。



- ヘルシーなイメージに落とし穴が…
そばやマカロニ入りのサラダはヘルシーに思われますが、これらは主菜や副菜ではありません。とくにマカロニは要注意!サラダやスープと名づけられていても、マカロニは麺類なので主食になります。おにぎりのおかずとして組み合わせると主食に偏ってしまうので、主食の1品は主菜と副菜に変えましょう。
- しっかり食べたいときは、塩分や脂質のとりすぎに注意
ごはんにおかずがのった丼物は、ごはんとおかずを一緒に食べられる人気のメニュー。お腹がすいているときは、もう一品追加したくなりがちです。惣菜パンやレジの横に置いてあるホットスナックは、おやつ感覚でお弁当にプラスする人も増えているようですが、塩分や脂質のとりすぎに注意が必要です。丼物だけでは足りないときは、野菜や海藻などの副菜を追加しましょう。
- お弁当はおかずのバランスをチェック
主食・主菜・副菜がそろったお弁当ですが、塩分や脂質の多い揚げ物や野菜が少ない組み合わせのものもあります。脂質が気になる人は、魚を主菜にしたお弁当を選ぶといいでしょう。野菜が足りない場合は、野菜や海藻などの副菜を追加するなど、食べる量や栄養バランスに気をつけて商品を選びましょう。
ヘルシーな食生活に導く
ほんのちょっとの心がけ
- 野菜のとり方
1日に必要な野菜の摂取量は350gとされています。一度にたくさんの量の野菜を食べようとすると飽きてしまいますし、とりすぎると栄養素が偏ります。たとえば、朝70g、昼140g、夜140gといったように、野菜を分けて食べることをおすすめします。分量の目安は、野菜サラダ(中皿)やほうれん草のおひたし(小鉢)は、野菜を約70g含まれると考えます。コンビニごはんを選ぶときも、1日の配分や目安を参考にして野菜料理を手に取れば、難しく感じないですよ。
- スイーツの選び方
仕事で疲れたときや頑張ったご褒美など、甘いものが食べたくなるときがありますよね。でもスイーツは、砂糖と脂肪分で作られているので食べすぎは健康状態に影響を及ぼすこともあります。食後のデザートを習慣にするなら、ヨーグルトやゼリーを選ぶようにしましょう。
- 冷凍品の利用
最近のコンビニは、主食、主菜、副菜の冷凍食品が充実しています。野菜が不足しているときに料理に加えることができるカット野菜を常備しておくのもいいですね。カットフルーツをスイーツ替わりに食べるのもおすすめです。砂糖を使っていないので、果物そのものの甘みや酸味を味わえます。

※参考:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、e-ヘルスネット「野菜、食べていますか?」「健康日本21」が推奨する野菜摂取量(厚生労働省)、「食品の栄養成分表示制度の概要」(消費者庁)