生活習慣病予防のための食生活
食事は私たちが健康的な暮らしを送るためには必要不可欠なものです。エネルギー量を極端に減らした無理な食事や、偏った食材ばかりを食べていると、健康に影響をおよぼし、ストレスもたまります。また、栄養も偏ってしまいます。
生活習慣病を予防し、ずっと健やかに暮らすためには、主食、主菜、副菜をバランス良く食べることが重要です。それに加えて、調理方法や使用する調味料の選び方、食べ方にちょっとした工夫を凝らしてみましょう。難しいものではないので、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。
調理方法の工夫
- 脂質にとりすぎに注意する
動物性脂肪のバターやラード、植物性油のマーガリンなど固形の油脂は、脂質を過剰に摂取することになります。調理をする際には控えるようにしましょう。オリーブオイルや米油など健康に良いといわれる植物性油であっても、脂質量は動物性油脂と同じですから、とりすぎには注意してください。
また、スーパーやコンビニなどで弁当や惣菜、スイーツ、お菓子などを選ぶ際にも原材料表示をチェックし、とくにトランス脂肪酸(油脂の加工過程で生成される)を含むマーガリンやショートニングなどは控えるようにしましょう。


- 油を使わない調理
調理方法としては、食材を「煮る」または「蒸す」ことをおすすめします。「炒める」「揚げる」「焼く」は、油を使うため食材が油を吸収し、脂質の摂取量が増えてしまいます。

- 炒める・焼くときの油を減らす調理の工夫
油を使う調理は、食材を大きめに切ると油に触れる面積が小さくなり、油の吸収を抑えることができます。ほかにも、肉の脂はできるだけ取り除く、調理中の余分な油脂はキッチンペーパーに吸わせるなど工夫をしましょう。


- 揚げものは衣に注意
天ぷらやフライなど衣が多い料理ほど吸油率が多く、衣をつけない素揚げのほうが油の吸収は少ないとされています。とんかつは、ひと口サイズにカットした豚肉よりも1枚ものを揚げてからカットするほうが衣の量が少ないため、吸収する油の量も少なくなります。


- 彩りよい料理を心がける
赤、茶、緑、白などさまざまな色の食材を使い、全体がカラフルな彩りになっていたら、バランスよく栄養を摂取できていると考えられます。また、トマトやピーマン、パプリカ、小松菜など濃い色の野菜を食べるようにしましょう。

- 減塩調理のコツ
旨みの少ない薄味の料理は、物足りなさを感じ塩分を強くしがちです。旨味成分を多く含んだ食材、香辛料や香りのよい食材を使うと薄味が気にならなくなります。旨味が増して栄養価も高まる発酵調味料もおすすめです。



食べ方の工夫
- ソースやしょう油は片面づけにする
揚げものや刺し身などを食べるときに使うソースやしょう油は、片面のみに適量つけるようにしましょう。ソースやしょう油をたっぷり注いだ小皿に、揚げものや刺し身をまるごと入れて全体に馴染ませると、塩分の過剰摂取になります。食べるときに調味料のついた面を舌に密着させるようにすれば、味を感じやすくなります。

- ドレッシングは食べる直前に
野菜をたくさん食べることができるサラダは、使用するドレッシングが健康を左右します。おすすめは油を使っていないノンオイルドレッシングです。また、野菜を洗ったときの水分が残っていると薄味に感じるため、ドレッシングを大量にかけてしまい、塩分や糖分の過剰摂取につながります。調理の際は水分をしっかり切って、食べる直前にドレッシングをかけましょう。


- 鍋料理はポン酢を選ぶ
野菜や肉、魚など多様な食材を味わえる鍋料理は、一度にさまざまな栄養を摂取できます。とくに、しゃぶしゃぶは肉の脂を落とすのでおすすめです。脂質の多いごまだれではなく、ポン酢を選ぶといいでしょう。

- しっかり噛んでゆっくり食べる
速食いは、食後の血糖値が上昇しやすくなり、糖尿病など生活習慣病を発症するリスクが高まります。食事の際は食べものをしっかり噛んで、時間をかけて味わうようにしましょう。ひと口食べたら、一度箸を置いてから食べるのがおすすめです。
※出典:「速食いと肥満の関係 -食べ物をよく『噛むこと』『噛めること』」(e-ヘルスネット厚生労働省)

Column
小さな工夫で生活習慣病の予防
生活習慣病を予防するためには、栄養バランスの良い食事を1日3回食べることを目標にしましょう。
朝は出かける直前まで寝ていたい、食欲がないなどの理由で、朝食を抜く人がいます。朝の食事はお腹を満たすだけではなく、体力や集中力などに影響を与えるものですから、必ず食べる習慣をつけてください。朝食を食べない人のほうが生活習慣病を招きやすく、発症率は30%上昇するとの研究結果もアメリカで発表されています(※)。
そのうえで、食事の際の工夫も習慣化しましょう。今回紹介した調理法は小さな工夫かもしれませんが、脂質や塩分のとりすぎの抑制につながります。毎日コツコツ積み重ねることで、生活習慣病の予防になるでしょう。
※出典:「Meal Skipping and Shorter Meal Intervals Are Associated with Increased Risk of All-Cause and Cardiovascular Disease Mortality among US Adults」(Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics Volume 123, Number 3, )



