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いつもの食材で手軽にできる!冬の不調を整える
おうち薬膳

いつもの食材で手軽にできる!冬の不調を整えるおうち薬膳

1月5日から二十四節気の「小寒(しょうかん)」になります。寒さがしだいに厳しくなっていくこの日を「寒の入り」ともいい、1月20日の「大寒」は、1年中でもっとも寒いとされます。6月号に続き、濱田美里さんに寒い時期に体を整える薬膳について伺いました。年末年始の疲れが出やすい時期は薬膳で体を内部から温めて、回復力を高めるように心がけましょう。

年末年始で疲れた胃や肝臓を
いたわる冬の食養生

1月7日の朝にその年の無病息災を願って「七草粥」を食べる習慣は、年末年始の祝宴で疲れた胃腸を労わるためでもあります。 春の七草のようなデトックス作用の強い青い草系の野菜は、これから春に向かって少しずつとるといいでしょう。とくに肉や油物の食事が続くときは、香りの強いハーブや薬味、クセの強いクレソンや大根菜、香菜などの葉を食べることで、偏った脂を中和して体のバランスを整えてくれます。
食べすぎた次の日または翌週は飲酒をひかえ、少し軽めの食事や消化のいいスープ、鍋物など「温かい水分(液体)をとる」ことも意識して胃や肝臓を休ませましょう。

    冬の不調を補う食材で
    寒邪を追い出しましょう

    中医学ではそれぞれの季節に「邪気(じゃき)」と呼ばれる悪い「気」が、「五臓」に悪い影響を与えると考えられています。五臓とは西洋医学でいう「肝臓」や「心臓」などの臓器とは異なり、人体の働きを「肝・心・脾・肺・腎」の5つに分類した概念のこと指します。
    冬の邪気は「寒邪(かんじゃ)」といい、寒い時期に体が冷えると血液や水分の流れが悪くなり、心身に不調が生じるとされています。五臓のうち寒邪の影響を受けやすいのは「腎」です。成長や発育、ホルモンの分泌、生殖など生命維持を支えるエネルギーを蓄えることが主な働きと考えられています。腎が冷えると、疲れがとれない、足腰やお腹が冷える、排尿トラブルが起きる、髪が乾燥する、白髪が増えるといったさまざまな不調が起こります。

    五味で心身を整える

    薬膳では食べ物を「酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(かんみ)」の5つの味に分類した「五味(ごみ)」という考え方があります。口から入った食べ物の味には対応する五臓があり、それぞれの働きを高めるといわれています。五味はバランスよくとることで心身の調子がよくなり、逆にいずれかの味に偏ると不調の原因になります。

    腎に働く鹹味については、できるだけ良質の塩を使うといいでしょう。たとえば、海藻からとった「藻塩(もしお)」はマグネシウム、カルシウム、カリウムなどミネラルが豊富に含まれ、独特の磯の香りと旨味で料理が美味しく仕上がります。塩の代わりにみそ(米、麦)、醤油や魚醤など発酵調味料もおすすめです。発酵調味料は体を温めてくれるものが多いので、私は毎日の朝食に味噌汁を飲むようしています。おかげで冷え性が改善されました。ほかにも生姜麹、玉ねぎ麹、コンソメ麹など、麹と野菜で作る調味料も冷蔵庫に常備しています。麹調味料は栄養価が高いものが多く、素材の旨味を引き出してくれるので、塩分もひかえられます。
    また、ゴマ、クコの実、松の実などのナッツ類は、滋養強壮の効果が期待でき、腎の働きを高める食材といわれています。
    肌の乾燥が気になる人は、スープや鍋物で栄養のある汁物をとるといいでしょう。具材はレンコンや白木耳(しろきくらげ)、山芋、豆乳などの白い食材が体に潤いをもたらします。
    冷えに負けないための「万能だれ」の作り方を紹介します。いろいろな料理にさっとかけるだけで美味しさが増し、体を温める効果も期待できます。

    万能だれ
    にらだれ

    鍋物、キャベツや白菜、ブロッコリーなどの温野菜、しゃぶしゃぶ肉にかけるなどあらゆる料理に使えます。

    【材料】
    • にら
      1束(約100g)
    • めんつゆ(3倍希釈のもの)
      1/2カップ
    • 酒
      大さじ3
    • ごま油
      大さじ1
    • 梅干し
      1個
    【作り方】
    1. にらは小口切りにする。
    2. めんつゆ、酒、ごま油、梅干しを小鍋に入れて中火にかけ、煮立ったらにらを加える。
    3. 20分ほど煮たら火を止め、そのまま冷まして保存容器に移す。
    【保存期間】
    冷蔵庫で約1週間

    万能だれ
    生姜麹

    味噌汁などのスープに少し入れると体が温まります。また、生姜焼きや味噌炒めなど、さまざまな料理の隠し味に使えます。とくに中華料理に使うとプロのような味になります。生姜麹に刻んだネギとごま油を混ぜた焼き肉用のたれもおすすめです。

    【材料】
    • 生姜
      350g
    • 米麹
      150g
      (乾燥麹の場合は120gにぬるま湯30ccをふりかけておく)
    • 塩
      35g
      • ※出来上がり量は約500gです。多い場合は半量で作りましょう。
    【作り方】
    1. 生姜はよく洗い、フードプロセッサーで攪拌する。
      • ※おろし金ですりおろしてもよい。
    2. ①の中に米麹と塩を入れて、さらに攪拌する。
    3. 全体が混ざったら、耐熱容器かジッパー付きポリ袋に移す。
    4. 炊飯器の内釜に60℃のお湯を2カップ程度入れる。キッチンペーパーを折りたたんで沈め、その上に③を置いて保温する。
      • ※ヨーグルトメーカーで保温(55℃で10時間)してもよい。
        保温する器機がない場合は、常温で時々蓋を開けて清潔なスプーンで混ぜながら、1週間~10日(夏なら短め)置く。
    5. 米麹の芯がなくなって、甘みが出ていれば出来上がり。冷蔵庫に移して保存する。
    【保存期間】
    冷蔵庫で約3週間(冷凍保存も可)

    Column
    私の健康習慣

    昨年の夏から足裏の胃の反射区※(土踏まず)が高く盛り上がっている健康スリッパを履いています。最初は履いて立つだけで涙が出るほど痛くて、とても歩けるどころではありませんでした。でも、履きはじめてから3日ほどで慣れてくると、とても胃の調子がよくなりました。履き続けているとスリッパでだけは物足りなくなって、次は足踏みマットも追加しました。これもまぁ、痛くて、痛くて…。好きな中国ドラマを見ながらマットの上で20分くらい歩いて、そのあとに500ccの白湯を飲むと血流がよくなり体が温まります。そして、よく睡眠をとることも心がけています。こうした習慣を続けていると冷え性が改善され、肌も潤って体調がとてもよくなりました!
    みなさんも体を温める食事と一緒に、お灸や足揉みをしたりヨガをしたりするなど、体調を大きく崩す前に手を打っておくことを意識して寒邪を追い出しましょう。

    • ※反射区とは全身の器官や内臓に繋がっているといわれている末梢神経が集まったところ。

    INFORMATION

    プロフィール 濱田美里
    料理研究家・国際中医学薬膳師。大学在学中より世界の民族料理や日本の郷土料理を訪ね歩く。中医学から日本の郷土料理まで好奇心旺盛に探求する一方、現代の食卓に合った「和モダン」なレシピを発表している。雑誌やWEB でのレシピ、エッセイの執筆、TV 出演、料理教室など幅広く活躍。『干し野菜百科』(河出書房新社)、『冷え 疲れ 便秘 肌荒れ 胃痛 風邪6つの不調を食べて改善 私を整えるスープ』(オレンジページ)
    など著書多数。
    http://www.misato-shokdo.com/
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