大学院進学の思いと研究を通して得られた学び
2021年に現役を引退されましたが、引退を決断された理由をお聞かせください。
現役時代は、「もっとうまくなりたい」という思いを原動力に競技を続けてきましたが、あるとき「もうこれ以上はうまくなれないな」と自分の限界を感じました。そのタイミングで、現役引退を決断しました。
引退後は、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に進学されましたが、大学院で学びたいという思いは以前からあったのでしょうか。
はい。中高生のころから大学に進学したいと考えていました。高校卒業時には、進学か実業団に所属するか悩みましたが、競技に専念する道を選びました。ただ、両親から「大学はいつでも行けるよ」と言ってもらえたことが心に残っていて、引退したら進学したいという思いはずっともっていました。
大学院進学を考え出したのは、引退後に大学院へ進学された先輩方の姿を見たことがきっかけです。関心のある分野を専門的に学ぶことに魅力を感じ、自分も挑戦したいと思いました。
大学院では、荒木さんの代名詞でもある「ブロック」を研究されたそうですね。
現役時代に感覚的に行っていたプレーを言語化し、誰かに伝えられる形にしたい。また、他の選手がブロックに対してもっている感覚を知りたいと思い、このテーマを選びました。
論文作成はもちろん、Excelでデータを作成することも、プレゼンテーションを行うことも人生で初めてだったので、頭から湯気が出るほど大変な日々でした。でも、研究を進めるなかで、自分が感覚的に行っていたプレーが数式や言葉で整理され、「なるほど、そういうことだったのか」と再発見する場面も多くありました。
大学院での経験は現在の活動にもいかされていますか。
研究を通して得られた「物事を多角的に見る視点」が、今の活動にすごくいかされているなと思います。
アリーザ愛知では、チームコーディネーターとして選手の育成に携わっていますが、選手たちに「こういう考え方もある」「こんなアプローチもできる」と提案するようにしています。現役時代の私は、周囲の人の言葉によって視野が広がりました。だからこそ、今度は私が若い選手たちの考えを広げるきっかけになれたらと思っています。一つの正解を押しつけるのではなく、その人なりの答えを見つける手助けができればうれしいですね。




