心を整える

ジャーナリングでメンタルケア

ジャーナリングでメンタルケア

イヤな出来事が頭から離れなかったり、人間関係でモヤモヤしたり、漠然と不安を感じたりすることはありませんか。そんな状態が続くと、知らず知らずのうちにストレスがたまり、心身の不調につながります。紙とペンがあればすぐにできる「ジャーナリング」で心のメンテナンスをしましょう。

ジャーナリングとは

「ジャーナリング」とは、頭に浮かんだ考えや感情を思いつくまま書き出すことです。イヤなことがあったとき話を聞いてもらって気持ちがスッキリしたり、考えが整理されてストレスがやわらいだりした経験があると思います。ジャーナリングはこれと同じような効果があります。また、書いたものをだれかに見せるわけではないので、家族や同僚などの近しい人に対する感情や自分の弱さなども気兼ねなく書くことができます。
ジャーナリングは日記に似ていますが、日記はその日の出来事や気持ちを整理してきちんとした文章で書くのに対して、ジャーナリングは頭に浮かんだ考えや感情をそのまま、文章にまとまっていなくても気にせずに書き続けます。それがストレスの軽減につながります。

ジャーナリングの効果

頭に浮かんだ考えや感情を書き出すと

「カタルシス効果」が得られる

心にため込んだ怒りや不安などの感情を言葉にして外に出すことで、気持ちがスッキリして心が落ち着く「カタルシス効果」が得られる。

感情にふり回されにくくなる

「自分はこんなふうに感じているんだ」と自分の感情を客観視でき、感情と自分の間に距離が生まれて感情にふり回されにくくなる。

考えや気持ちが整理される

自分が「何に悩んでいるのか」「何にイライラするのか」などが見えてきて、考えや気持ちが整理される。その結果、ストレスが減る。

ジャーナリングを続けていると

自己理解が促される

自分の思考のクセ(偏り)やストレスの引き金に気づけるようになる。こうした自己理解が進むとストレスを回避するための対策がとりやすくなる。

新たな選択肢に気づける

心が落ち着いたり、自己理解によって思考のクセ(偏り)がゆるむと視野が広がり、それまで見えていなかった選択肢に気づくことができる。

前向きな一歩につながる

「自分が本当に大切にしたいこと」や「向かいたい方向」が見えやすくなり、目的に向かった前向きな一歩を踏み出しやすくなる。

ジャーナリングを始めてみよう

紙とペンさえあればできるジャーナリング。書き方のルールはとくにありません。効果を実感するためのポイントと基本的な手順を参考に、まずは5分間書き続けることから始めてみましょう。とくに、イヤなことを考え続けてしまう反芻(はんすう)思考が止まらないときにおすすめです。

効果を実感するためのポイント

  • 頭の中に浮かんだ考えや感情をありのまま書く。
  • 一定時間、考えず、止まらず、ひたすら書き続ける。
  • 継続する。効果を実感するまでの目安は数週間~2カ月程度。

ジャーナリングの手順

Step1:
ノートとペンを用意する

自分の使いやすいものでOK。ノート以外の紙でもよいですが、一定時間、書き続けられる十分なスペースや枚数があるものにします。パソコンやスマホのメモ帳に入力するほうがやりやすければそれでも構いません。

Step2:
頭に浮かんだことを書き続ける

「こんなこと書いてもいいのかな」などと考えず、誤字や脱字も気にせず、文章になっていなくてもよいので、とにかく頭に浮かんだことを5分間なら5分間ひたすら書き続けます。書くことが思いつかないときは「書くことが思いつかない」とその瞬間に思ったことを書きましょう。

書きづらいときはテーマを設定する
たとえば、「今、しんどいと感じていること」「新しい業務のこと」「こどものこと」などテーマを設定すると書きやすくなります。
Step3:
書いたことをふり返る

書いて終わりでもよいですが、ふり返ることで「自分は考えや感情を言葉にするのが苦手だな」「こんなふうに考えるクセがあるな」などの自己理解につながります。ふり返るときは良い・悪いなどの判断はせず、そう感じたり考えたりしている自分をそのまま受け止めましょう。書いたものは捨てても構いません。

Q.

ジャーナリングをするタイミングは?

A.

いつ行っても構いません。集中して書き続けるので、自分一人の時間がとりやすいタイミングがおすすめです。また、「朝、コーヒーを飲むカフェでやる」「お風呂から上がってひと息ついたらやる」など日々の習慣になっていることとあわせて行うと習慣化しやすくなります。書きたくない日はお休みしてOKです。


Q.

どれくらいの時間、書き続ければいい?

A.

20分ほど行うことが一般的です。ただし、初めてジャーナリングをする人や、自分の考えや感情を言葉にするのが苦手な人は5分程度の短時間から始めてみましょう。


INFORMATION

監修 上野幹子
クオリアラボ株式会社代表取締役、公認心理師。キャリアコンサルタント。民間企業や官公庁、警察・警察学校、大学などでカウンセリング・コンサルティング・研修・セミナー・授業・講座など数多く実施。今までに対面した方々は延べ3万人を超えている。
文字サイズ