生活習慣病って怖い病気?
「生活習慣病」はがん、心臓病、脳卒中、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満症、歯周病などをはじめとする、不適切な生活習慣が発症や進行に深く関わる病気です※1。40年以上にわたり、がんは日本人の死因でもっとも多く、死因全体の約4分の1。その次に多い心疾患や脳血管疾患を合わせると全体の半分弱を占めます。
生活習慣を改善することで、死亡リスクが低下するだけでなく、生活の質(QOL)の低下を防ぎ、将来的に健康寿命※2を延ばすことにもつながります。早いうちから予防に取り組みましょう。
- ※1:生活習慣だけではなく、遺伝要因(体質)や外部環境要因(ストレスなど)を含めた複数の要因が関与する場合もあります。
- ※2:介助や介護を受けることなく、心身ともに自立して暮らせる期間。2022年推計値では、男性72.57歳、女性75.45歳。
Q1
日本では1990年代半ばまで「生活習慣病」を「成人病」と呼んでいましたが、どうして変わったのでしょうか?
A1
Q2
年に1度の健康診断受診が推奨されるのはなぜですか?
A2
かつて生活習慣病を「成人病」と呼んでいた時代は、加齢によって発症し、40〜60歳の働き盛りに多い病気だと考えられていました。しかし近年、年齢だけではなく、幼いころからの生活習慣の影響で発症のリスクが高くなる可能性が明らかとなりました。
思春期(10~18歳)に肥満だったこどものうち、7~8割が成人になっても肥満であることがわかっています。また小児肥満から成人肥満に移行した人の動脈硬化性疾患の罹患率は、成人期になって肥満となった人の約4倍といわれています。不規則な生活や運動不足、食べすぎなどの不適切な生活習慣が若いころから身についてしまうと、改善は難しくなります。生活習慣病の発症や進行を防ぐためには、早い段階から日々の生活を見直し、予防することが重要です。
日本人の死因で多いがん、心臓病(狭心症や心筋梗塞など)、脳卒中(脳梗塞や脳出血など)は命を脅かすだけでなく、生活の質(QOL)を低下させます。生活習慣病の中には早期に治療を始めれば、健康を取り戻すことができる病気もあります。予防にはバランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠など日々の生活習慣が重要です。自覚症状がなかったとしても、職場や自治体などで実施される「定期健康診断」や「特定健診」、「がん検診」を受診して早期発見・治療につなげましょう。「忙しくて時間がない」「元気だから大丈夫」などと思わずに、年に1度は必ず受診してください。
メタボリックシンドローム(メタボ)とは?
腹囲が男性85cm以上、女性が90cm以上の内臓脂肪型肥満に加え、高血圧、高血糖、脂質異常のうち2つ以上があてはまると「メタボリックシンドローム(メタボ)」と診断されます。
内臓やその周辺にたまった脂肪が、血糖値を下げるインスリンというホルモンの効きを悪くする物質を分泌したり、血管の状態を悪化させることにつながり、高血圧、高血糖、脂質異常を引き起こしやすくなります。高血圧、高血糖、脂質異常は単独でも動脈硬化を進ませますが、重複する数が多いほどさらに進行しやすくなるため、メタボの状態になると心臓病や脳卒中を発症するリスクが高まります。
Q3
血圧は少し高くても症状がなければ問題ないですか?
A3
Q4
悪玉コレステロールと善玉コレステロールの違いは?どちらも低いほうがいいですか?
A4
Q5
糖尿病は太っている人や甘いものを食べすぎると発症する病気ですか?
A5
高血圧は喫煙と並んで生活習慣病の最大のリスク要因です。過去数十年で高血圧自体は大きく減少しましたが、20歳以上の約半数があてはまります。最大の要因は塩分のとりすぎです。また、食習慣に加え、肥満や飲酒、運動不足、ストレス、体質などの要因が合わさって発症すると考えられます。血圧の高い状態が続くと、血管が傷ついて厚く硬くなり、本来のしなやかさを失ってもろくなる動脈硬化が進行し、脳卒中や心臓病などを起こすリスクが高まります。
高血圧を改善するのに役立つのは減塩で、血圧の高い方の1日の摂取量として6g未満が推奨されています。ラーメンなど麺類の汁を飲まない、調味料は控えめにするなど少し意識するだけで減塩になりますので、できることから始めてみましょう。
脂質異常症とは血液中の悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が高すぎる、あるいは善玉(HDL)コレステロールが低すぎる状態のことです。悪玉コレステロールが増えすぎると血管壁に蓄積して血管を傷つけ、動脈硬化を進行させるため、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。食事で飽和脂肪酸をとりすぎることが一因なので、脂身の多い肉、バターや生クリーム、インスタントラーメンなどの加工食品の食べすぎに注意が必要です。一方の善玉コレステロールには悪玉コレステロールを回収する役割があるので、低すぎると動脈硬化のリスクを高めます。中性脂肪の増加は甘いものや油もの、お酒、糖質のとりすぎなどが原因となります。食生活の改善に加え、定期的な運動により肥満を解消するよう心がけましょう。また、喫煙も脂質異常症を招き、動脈硬化を進行させる要因となります。喫煙習慣がある場合は、禁煙に取り組みましょう。
糖尿病は血液中のブドウ糖が多い状態が慢性的に続き、血管が傷つくことでさまざまな合併症を引き起こす病気です。放置すると失明、腎不全、四肢の切断が必要になるなどの重い病気につながるため、早期発見・治療が大切です。
糖質は脳や体の重要なエネルギー源となります。食後に腸から吸収され、インスリンの作用で、肝臓や筋肉、その他の細胞に取り込むことで血液中のブドウ糖の濃度は一定に保たれています。インスリンが不足したり、うまく働かず、血液中に糖があふれた状態が糖尿病です。肥満も糖尿病の危険因子ですが、日本人はインスリン分泌が少ない人が多く、やせ型でもなりやすい人がいるので油断は禁物です。予防の柱は食事と運動です。食事については、主食(ごはん、パン、麺)を1食に1品、主菜(お肉や魚、大豆製品など)や野菜たっぷりのおかずなどをバランスよく組み合わせ、よく噛んで食べましょう。
運動は、ウォーキングなどの有酸素運動を1日60分週5回以上と週2回程度の筋力トレーニングを取り入れましょう。