汚れと洗剤の性質と
ナチュラルクリーニング
ホコリ掃除をしたあと、汚れが残ってしまうことがあります。そんなときは、40~60度のお湯を含ませて絞った布で拭いたりするといいでしょう。軽い汚れはお湯で落とせますが、落としきれない汚れには洗剤が必要です。でも、洗剤は空間や用途で種類がたくさんあって、どれを選べばいいのか迷いますよね。ハウスクリーニングで訪れるお客さまからも、「おすすめの洗剤は?」と必ず質問を受けます。
洗剤選びは複雑に思われがちですが、じつはとてもシンプル。商品の裏に表示している液性をチェックするだけです。掃除する場所や用途が違っても「アルカリ性」「酸性」「中性」の3種類があれば十分。汚れと反対の性質を持つ洗剤で中和させることが洗剤選びの基本的な考え方なので、この組み合わせを理解することがポイントです。どの液性か迷ったときや日常の掃除の軽い汚れは、まず中性洗剤を使ってみるといいでしょう。みなさんがよく使う食器洗い洗剤が中性です。
また、「化学物質を使った洗剤は、体や環境に悪い影響をおよぼすのでは」と心配される方は、自然素材の重曹とセスキ炭酸ソーダー、クエン酸を使う「ナチュラルクリーニング」をおすすめしています。これらは粉のまま、水と混ぜたスプレー、ペーストと形を変えて、掃除に使える万能選手です。
- ※中性洗剤は界面活性剤の働きで汚れを落とすので、ナチュラルクリーニングでは使うことのない洗剤になります。
洗剤と汚れの性質
アルカリ性の特徴とナチュラルクリーニング
- アルカリ性洗剤の特徴
- アルカリ性の洗剤は調理台やレンジ、フードなどの油汚れ、冷蔵庫の表面や戸棚に付いた手あか、お風呂の浴槽に付いた湯あかなどの清掃に役立ちます。
- セスキ炭酸ソーダ
- セスキ炭酸ソーダはアルカリの性質が強く、重曹よりも約10倍の効果を発揮するといわれています。頑固な油や血液などの汚れにおすすめです。水300mlに対してセスキ炭酸ソーダ小さじ1弱をを合わせて、スプレー液を作っておくと便利です。
- 重曹
- 重曹には研磨作用があり、レンジの五徳や鍋の焦げつきのこすり落としに効果を発揮します。また、消臭効果もあるのでゴミ箱や靴箱の気になる臭いをおさえます。水に溶けにくいので、重曹とぬるま湯を2:1の割合で合わせてペースト状のクレンザーを作るといいでしょう。粉の状態でカップなどに入れておくだけで、消臭・湿気取りになります。
- 注意点
- アルカリ性洗剤は素肌のまま使用すると肌荒れの原因になるので、ゴム手袋などを使うと安心です。
また、アルミの変色、白木へのダメージ、シルクやウールなどのたんぱく質を含む素材を傷めるので要注意。
酸性の特徴とナチュラルクリーニング
- 酸性洗剤の特徴
- 酸性洗剤は、キッチンや浴室、トイレなどの水を使う場所におすすめ。水あかや石けんカス、トイレの黄ばみや尿の臭い消しに効果を発揮します。
- クエン酸
- クエン酸は、レモンなどの柑橘類に含まれる酸味成分です。除菌効果があるので冷蔵庫の掃除におすすめ。ほかも電気ポットのカルキ汚れ、シンクやガラス食器のくすみ取り、衣類の洗濯の柔軟剤の代わりにもなります。スプレー液は水300mlに対してクエン酸小さじ1.5を合わせます。スプレー液は乾くと白い結晶が浮かぶことがあるので、使用したあとは水拭きをしましょう。
- 注意点
- 塩素系の洗剤と混ぜると有毒ガスを発生するのでたいへん危険です。水まわりでカビ掃除をするときなど、塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜたり、同時に使ったりしないように注意しましょう。