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「二重課題運動」で認知症を防ぐ

「二重課題運動」で認知症を防ぐ

認知症は一度発症すると完全に治すことはできません。そのため、早期の発見・予防が重要です。今回は神戸大学大学院保健学研究科教授で脳神経内科医の古和久朋先生に、神戸大学が独自に開発したヘルスケアサービス「コグニケア」についてお話を伺いました。今月は、「コグニケア」で実践されている「二重課題運動」について、ご紹介します。

二重課題運動とは

「二重課題運動」とは、運動と脳トレを組み合わせるなど、同時に2つの課題を実行する運動のことです。たとえば、「歩きながら会話する」「足踏みしながら数を数える」などは二重課題運動に含まれます。二重課題運動は、認知症予防・身体能力維持に効果的だといわれています。「コグニケア」では神戸大学が作成した運動メニューのひな形に、各教室の講師が毎回アレンジを加えて、参加者が飽きずに楽しみながら運動できるようバリエーションを工夫しています。今回は、実際にコグニケア教室で行われている運動を4つご紹介します。

スクワット

足を外に向けて、膝が体の内側に入らないようにします。息を吸いながら腰を落とし、吐きながら上げます(数回くり返す)。両手を前に伸ばして、腕を引きながらスクワットをします。同時に英語で「10」を数えます。手を広げて、思いつく「2文字の言葉」を言いながら体勢をキープします。

いすに座って「グーチョキパー」

いすに座って「グーチョキパー」と言いながら、手を交互に前に出します。右手を出したときは同時に右足を前に出し、左手のときは左足を出します。手は言葉に合わせて「グーチョキパー」をします(グーと言ったときは手もグーにする)。数回くり返したら、次は右手のときに左足を出します。交互に数回行った後、かけ声を「グーチョキパー」から「1、2、3…15」に変更して行います(手はグーチョキパーの順で前に出す)。さらに、5の倍数(5、10、15)のときには足を上げます。
次第に難しくなってきますが、もし間違ってしまっても問題ありません。近くの人と「できないね」などと声をかけ合うことでコミュニケーションが生まれ、社会性の維持につながります。

カウント10

3〜4人でグループをつくり、1〜10までの数字を順番に言い合います。最後に「10」を言えた人が勝ちです。数字は一度に3つまで言うことができます。ほかの人が言った数字を確認し、逆算しながら自分の数字を言っていきます。慣れてきたら「15」までに変更して行います。途中からは足踏みをしながら行い、最後に人数を増やして「40」までで実施します。足踏みは継続したまま、グループ内で自己紹介をします。なるべく多くの人の名前を覚えます。

ステップ

手を前に出しながら横にステップします。足を大きく出してつま先で床をタッチします。ここで、先ほどの自己紹介で覚えた名前を思い出します(思い出せなかった人には後ほど確認する)。そのまま手をタッチしながら横にステップします。「冷蔵庫に入っているもの」を思い出して言いながら、体を上に伸ばしてステップします。最後に、つま先立ちして思いつく「魚の名前」を言いながらパンチ動作を行います。

楽しみながら継続できることから始めよう

認知機能や身体機能の低下を予防するためには、できるだけ早い段階からの生活習慣の改善が重要です。全身運動は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスク低下や転倒による骨折の予防にもつながります。今回ご紹介した運動を参考にして、楽しみながら継続できることから始めてみましょう。

INFORMATION

プロフィール 古和久朋
神戸大学大学院保健学研究科教授。同認知症予防推進センター センター長。東京大学医学部医学科卒。同大学院修了。脳神経内科医として認知症診療に携わるとともに、早期発見・早期診断につながる神戸市の認知症神戸モデルの策定に関与。認知症の「共生」と「予防」を目指して多くの研究、活動を行っている。
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